ナメクジに触ってはいけない。もし触ったら絶対にすべきことは?

梅雨時に多く見かけるナメクジの豆知識。「塩で退治する」のが不適切な理由も解説します
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ナメクジとカタツムリのイメージ
ウェザーニュース

梅雨に見かけることの多いナメクジは、お庭を楽しむ家庭ではやっかいもの扱い。虫ケア用品最大手のアース製薬は、「このくらい大丈夫」と放置してはいけないと忠告します。ナメクジの特徴と対策について紹介します。

カタツムリとの関係は?

庭先にキラキラした白い筋を見つけると、ナメクジなのかカタツムリなのか不安になります。似たような生き物なのに、ナメクジは見たくないという人も多いのではないでしょうか。

「ナメクジとカタツムリは、ともに陸貝とも呼ばれる陸上で生活する貝類の仲間です。似ていますが別の生き物で、カタツムリが殻を脱いだ状態ではありません。丸い巻き貝状の殻をもつのがカタツムリ、殻が退化したのがナメクジです」

梅雨時に多く見かけるのは、なぜなのでしょうか。

「ナメクジは3~6月に産卵して、梅雨の時期に成長して活動します。秋には成体に成長します。冬でも活動し氷点下以外なら動くこともできます。植物が繁りジメジメと湿気が多い場所を好むため、4~6月、9~10月は数も多くなります。

庭の植物などの食べられた跡や白っぽく光る筋だけ見つけることがあるのは、昼間は植木鉢の下などに潜み、夜間に活動することが多いためです。白い筋は、ナメクジが移動の際に粘液を出して這(は)った跡です。体に刺激を受けると、粘液を大量に出して逃げていくこともあります」

 

触れたら必ず手洗い!

ナメクジは外見や触感が不快なだけではありません。

「ナメクジはおろし金のような多数の歯のある舌をもっていて、農作物や庭の植物の花や葉や果実、コケなどを削り取るようにして食害します。

また、注意したいのはナメクジには広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)の幼虫が潜んでおり、中間宿主であるナメクジがついた生野菜を誤って食べるなどして人体に入り込むと、病気を引き起こすこともあります。

これはカタツムリも同様で、『ちょっと植木を喰われるくらい大丈夫』と放置せず、退治・駆除することが大切です。ナメクジやカタツムリに触れてしまった場合は、よく手を洗ってください」

 

塩では難しい!? ナメクジ駆除

ナメクジは、動きはゆっくりでも意外と移動します。網戸やドアの隙間から家に侵入することもあります。

「対策として、まずナメクジの好む多湿で植物の多い環境を減らします。自宅周辺を除草したり落ち葉など清掃し、風通しを良くすることが重要です。また、プランターや植木鉢は地面に直置きではなく台の上などに載せ、風通しを良くすることをお勧めします」

ナメクジといえば塩というイメージがありますが、実は退治には適していないそうです。

「ナメクジは体の約85%が水分とされ、塩をかけると体の水分が抜けて縮みます。ただし退治するまでにはかなりの量の塩が必要ですので、大量の塩を使うのは庭では塩害が心配です。

ナメクジは日中どこにいるのかわからないことが多いため、侵入されたくない場所の周りに容器入りの毒餌剤を置きましょう。

ナメクジを見つけた場合は、化学殺虫成分不使用でもナメクジを速効退治できるスプレータイプや、撒(ま)いておけば忌避(きひ)もできる駆除剤など、用途に合わせてご使用ください」

身近な生き物なのに、意外に知らないことが多くありました。家の周囲の風通しをよくしたり、鉢植えなどの置き方から対策を始めていきたいものです。

 

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