「急に恐竜ケーキが食べたい!というので」
そんなコメントともにTwitterに投稿されたケーキの写真に、「かわいいし、すごい」「素晴らしいクオリティ」「アイデアの勝利」などと絶賛する声が相次いで寄せられている。
投稿したのは、グラフィックデザイナーでイラストレーターのmaruyanさん(@OOYA3)。子どもが突然言い出したリクエストを受け、「スーパーのロールケーキとチーズケーキとスフレで間に合わせました。荒っぽいけど喜んでくれた」という。
ありきたりな食材で急ごしらえしたとは思えないほど恐竜らしさをうまく表現したケーキの写真を載せたツイートには、投稿から4日間で2万8千件のリツイートと16万5千件の「いいね」が殺到した。
ハフポスト日本版はmaruyanさんに「恐竜ケーキ」の作り方の詳細などを尋ねた。
父の誕生日に「恐竜ケーキ」
「恐竜ケーキ」をリクエストしたのは3歳の娘。約1年前に恐竜のアニメ「ピンキッツ」を見て以来、恐竜に心を奪われているのだという。
3歳の娘の誕生日に、スポンジや生クリームなど全て手作りで「恐竜ケーキ」を作ったところ、娘は大はしゃぎ。それからというもの、娘は誕生日を思い出しては「恐竜ケーキが食べたい」と言うようになったそうだ。
それから約半年たった6月。娘に「お父さんの誕生日ケーキを買いに行こう」と声を掛けたところ、娘は「恐竜ケーキが食べたい!」と言い張った。maruyanさんはこの日、仕事があり、前回のようにスポンジを焼いて作る時間はなかった。
「でも、今日はせっかくの特別な日。市販品を使って、恐竜っぽく作ってみようかな」と思いつき、娘を保育園に迎えに行った帰りにスーパーに立ち寄ったのだという。
材料は6つ、所要時間はたった20分
maruyanさんが揃えた材料は、以下の6点だ。
- フルーツロールケーキ(既製品)・・・胴体
- チーズケーキ(既製品)・・・しっぽ
- スフレ(既製品、4個入り)・・・顔や手足
- 生クリーム・・・体全体のコーティング
- イチゴ・・・背中の骨板など
- ブルーベリー(冷凍食品)・・・目
ロールケーキを垂直に立て、尻尾になる一切れのチーズケーキを添える。
その上で、恐竜の「ウロコ肌」を表現できるように、生クリームで全体を「モコモコ」にコーティングした。背中の骨板などは、イチゴをそのまま並べて再現した。
上部には、頭になるスフレを据え、冷凍のブルーベリーを目にした。手足にはカットしたスフレを使った。「子どもの相手をしながら作り、かかった時間は20分くらいでした」
前回作った娘の誕生日ケーキの恐竜は「立たせる」ことに苦戦し、背の低い姿になった。今回のケーキでは「ティラノサウルスになったらいいな」と願って、高く立ち上がる恐竜を目指したという。「市販のケーキはスポンジが固めに焼かれているので、ロールケーキを立たせても崩れないんじゃないかと計算しました」
次のケーキは・・・
出来上がった恐竜ケーキを見た娘は「恐竜ケーキだー!」と歓声をあげて目を輝かせていたという。この日の主役である夫も、笑って喜んでいたそうだ。
娘が切り分けるのを嫌がっていたため、家族3人でそのままケーキをつつきながら食べた。「娘は上機嫌で『おいしいね』と言っていました。背中のイチゴは、娘が1人で全部食べちゃいました」
maruyanさんは「市販品を組み立てただけの恐竜ケーキを多くの方に見ていただけるとは思ってもみませんでした。『市販品だし、自分にも作れそう』と共感してもらえたのでしょうか」と憶測する。
これからも娘が恐竜に夢中になっている限り、恐竜ケーキを作り続けたいという。「ただ、次の4歳の誕生日ケーキはウルトラマンになるかもしれません。娘は今、ウルトラマンに大ハマりしているので」
ウルトラマンケーキはティラノサウルスとは異なり、立たせずに顔だけを作ることになりそうだという。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉