「1日に食べて良い卵って、1個じゃないの?」JA全農が教える豆知識に、衝撃広がる

「食べて良いのは、1日1個まで」と言われてきた卵の数。なぜそう伝えられてきたのか。そして食べて良い、本当の数とはーー。
|
Open Image Modal
イメージ画像
Stefan Tomic via Getty Images

「1日に食べて良い卵の数って、1個じゃなかったの?」

JA全農広報部が「note」に公開した卵の豆知識が、話題になっています。

これまで広く言われてきた「卵は1日1個まで」という知識。なぜそう伝えられてきたのか、そして食べて良い本当の数とはーー。

 

◆1日に食べて良い卵の数は?

Open Image Modal
イメージ画像
knape via Getty Images

 

卵の知識について説明するのは、全農グループで鶏卵の卸売販売を担うJA全農たまご株式会社の管理栄養士・辻井朋香さん。

辻井さんによると、1日1個までと言われるようになったのは、1913年の海外での研究がきっかけだといいます。

食事から摂取するコレステロールが人体にどのように影響するかという実験でウサギに卵を食べさせたところ、ウサギの血中コレステロール値が上昇。コレステロールの高い卵は控えた方が良いということになったそうです。

 

ですが辻井さんは「その実験は誤りだということになりました」と話します。人間は食事のコレステロールが増減しても体内で合成する量を調整できるからです。

一方、草食動物のウサギは動物性の卵を食べないため、血液中のコレステロール値を一定に調整することができないといいます。

 

では私たちは、1日に何個の卵を食べるのがよいのでしょうか。

辻井さんは「卵は食物繊維とビタミンCを除くすべての栄養素が含まれていて、栄養価が高いので、積極的に食べていただければと思います」とした上で、「管理栄養士の立場としては卵以外の食品からもバランスよく栄養摂取することが望ましいので、1日2個程度を目安にしてください」と話します。

 

◆生活にうまく卵を取り入れる方法は?

卵をうまく食事に取り入れる方法について辻井さんは「私はまとめてゆで卵を作って、ストックしています。お弁当に入れたり、味玉にしたり、手羽元と煮たり、ハンバーグに入れたりと応用がききます」と話します。

また、ゆで卵にたこ焼きやお好み焼き用のソース、かつお節、青のり、マヨネーズをかける「たこ焼き風」にして食べるのもおすすめといいます。

 

【追記】(2022/06/07 15:10)

コレステロール摂取量の上限については、研究の進行とともに、議論されてきました。

厚生労働省がまとめた2020年度版の「日本人の食事摂取基準」では、「少なくとも循環器疾患予防(発症予防)の観点からは目標量(上限)を設けるのは難しいと考え、設定しないこととした」とした一方で、「これは許容されるコレステロール摂取量に上限が存在しないことを保証するものではないことに強く注意すべきである」としています。

卵1個のコレステロールは200〜300ミリグラム程度とされており、「脂質異常症の重症化予防の観点からは、1日あたり200ミリグラム未満にとどめることが望ましい」と指摘されています。