ロシアによる侵攻を受けているウクライナ西部・リヴィウを訪問した俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんが日本時間5月5日、インスタグラムを更新した。現地で出会ったある女の子のエピソードを共有し、子どもたちの心の傷に寄り添った。
ロイター通信などによると、ジョリーさんは4月30日にリヴィウの駅や学校を訪れ、避難してきた子どもたちと交流していた。
女の子が見せてくれた「特別な石」は「爆弾の破片」だった。
ジョリーさんは2001年にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)親善大使に任命され、2012年からは特使を務めている。これまでに何度も難民キャンプを視察するなど、難民を支援してきた。
インスタグラムの投稿によると、ジョリーさんはリヴィウで出会ったある小さな女の子から「特別な石」を見せてもらった。それは、実際には石ではなく爆弾の破片で、女の子はそのことに気づかずに遊んでいたという。
手のひらにのせると、想像以上にギザギザとしていて重みがあったため、ジョリーさんは「その輝きと珍しい特徴が、子どもの目を引いたのでしょう」と推測した。
ジョリーさんが出会った子どもの多くは、ウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスク駅でロシア軍による攻撃を受け、身体から爆弾の金属片を取り除く処置を受けたばかりだった。その処置は「困難で、苦痛を伴うもの」で、大切な臓器に近いところにある破片は危険すぎるために取り除くことができず、子どもたちの身体の中に残ったままになっていたとも明かした。
ジョリーさんは、「身体的な損傷の範囲をこえて、感情的・精神的にトラウマを与えるほどに子どもたちに危害を加えることに何の意味もない」と強く批判。投稿には「#childreninconflict」(紛争地の子どもたち)というハッシュタグもつけられ、ジョリーさんは「特別な石」の写真や現地の子どもたちの写真も投稿している。
4月14日時点でのユニセフの発表によると、ウクライナ国内では710万人が国内避難民となっており、そのうち最大280万人が子どもたちだという。病院や給水施設、学校、幼稚園が破壊され、水や衛生、教育、保健・医療など様々な社会サービスが絶たれている。また、周辺国へと逃れた難民の90%が女性と子どもだという。