がれきから救出されたウクライナの猫、ツイートで飼い主が見つかったのに…「ハッピーエンドにはならなかった」

ウクライナでがれきの中から救出された1匹の猫。ツイートをきっかけに飼い主が見つかったものの死んでしまったといいます。
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がれきから救出されたボロジャンカの猫。ウクライナ内務省顧問のゲラシチェンコ氏のTwitterより
Twitter/Gerashchenko_en

ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナ。

首都キーウ(キエフ)の北西にある町ボロジャンカは、ロシア軍による激しい攻撃を受け、民間人とみられる多数の遺体や犬の死体が見つかっている。

このボロジャンカで、ある1匹の猫をめぐるストーリーがSNS上で人々の胸を打っている。

壊れたコンクリートブロックの下から救出

「このボロジャンカの猫はかろうじて助かりました。壊れたコンクリートブロックの下から引き上げられたのです。彼の飼い主も生きていることを願います」

ウクライナ内務省顧問のアントン・ゲラシチェンコ氏が、白と黒の毛色を持つ猫の写真とともに、こう公式Twitterに投稿したのは4月7日。

攻撃を受けたとみられる建物のそばで、がれきが散乱する中で立ち尽くす猫は、薄汚れて顔も怪我をしているように見えた。

「内務省に住み、愛されています」

その2日後の4月9日、ゲラシチェンコ氏が再びTwitterを更新。「ボロジャンカの生きのびた猫を覚えていますか?彼の物語の嬉しい続編が送られてきました」とつづり、猫の近況を報告した。

「彼は今、内務省に住んでいて、ご飯を食べ、お風呂に入り、愛されています」「もちろん、重要な会議にはすべて参加します」ともつけ加え、無事に保護され、手当を受けている様子を写真とともに公開。この投稿には、「保護されてよかった」「いい知らせです」などのコメントが寄せられていた。

飼い主が見つかったのに…

だが4月14日になり、悲しい知らせが届く。ゲラシチェンコ氏はTwitterで、「ボロジャンカの猫はハッピーエンドにはなりませんでした」と報告。自身のツイートがきっかけで飼い主が見つかったことも明らかにし、「彼女(飼い主)の元に行くはずだったのですが…。彼(猫)は死んでしまいました」と投稿した。

ボロジャンカでは、避難施設で300匹以上の犬が死んだと動物保護団体が伝えるなど、多くのペットの犠牲も明らかになっている