アカデミー賞の主演男優賞を2度受賞しているアメリカの俳優、ショーン・ペンさん。
3月28日に開かれた第94回アカデミー賞の授賞式の直前、式でウクライナのゼレンスキー大統領の発言の機会を設けるよう求めて話題を集めた。
もし機会が与えられないなら、「自分のオスカー像を溶かす」などとCNNのインタビューで訴えていた。
授賞式ではゼレンスキー大統領の発言の機会はなかったため、ペンさんのオスカー像の行方に米メディアの注目が集まるが、ペンさんは今、ウクライナで一体どんな活動をしているのか。その内容をまとめた。
ショーン・ペンがウクライナで取り組んでいること
2月24日に始まったロシアの軍事侵攻。ペンさんはその日、ウクライナの首都・キエフにいた。
CNNによると、ペンさんは2月24日に記者会見に出席し、ゼレンスキー大統領と会談。ウクライナ大統領府も「ロシアによる侵攻について世界に真実を伝えるためにキエフに来た」とFacebookに投稿し、ペンさんがドキュメンタリーの撮影に取り組んでいることを明かした。
Varietyによると、ドキュメンタリーはVice Studiosの制作で、ペンさんは2021年11月にもウクライナを訪問し、ウクライナの軍隊に話を聞くなどしてドキュメンタリーの準備を始めていたという。
ウクライナ・リビウ州知事とも面会
ペンさんは長年にわたり、数多くの反戦・人道支援活動に参加してきた。「Community Organized Relief Effort(CORE)」という非営利団体を共同設立し、災害や紛争などの危機に見舞われた人々を支援している。公式サイトによると、COREのきっかけとなったのは、2010年1月にハイチで発生した大地震だった。ペンさんはすぐに行動を起こし、救命活動や復興支援に取り組んだという。
COREは、軍事侵攻が続くウクライナから国外に避難した人々の支援も始めた。
ウクライナの隣国、ポーランドとルーマニアを拠点に、食料や水、避難所への安全な移動手段など、命を守るためのものを入手できるよう、現金による支援を提供したり、石けんや手指消毒剤、歯ブラシなどの衛生用品や、寒さの中で暖を取るための緊急用毛布を配布したりしているという。
現在もウクライナやポーランドに滞在しているペンさんは3月29日、自身のTwitterを更新。COREのチームとウクライナ西部の都市リビウを訪れたと明かし、現地当局者やNGOなどと、ウクライナ国内支援プログラムの規模を拡大するために協議したと語った。リビウ州のマクシム・コジツキー知事と撮影した写真も投稿し、COREへの寄付や協力を呼びかけている。