「外国人を笑えない」上海ロックダウンで不満の声がSNSに...「隠語」を使って中国政府批判も

「上海市政府の何人が処分されるのだろう」(ネットユーザー)

中国・上海市は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市を東西に分けての事実上のロックダウン措置に入った。感染を徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策に、ネットユーザーからは不満の声が上がっている。

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スーパーマーケットで物資を買い込む人々(上海市 3月27日)
Future Publishing via Getty Images

上海市は東西を2つのブロックに分け、東側を3月28日午前5時から、西側を4月1日午前3時からそれぞれ封鎖し、一斉にPCR検査を実施する。措置は各地区とも4日間続く。生活インフラに関わる業務を除き出勤は停止となり、公共交通機関も止まる。

上海市では3月27日、有症状50人、無症状3450人の合わせて3500人の感染者が見つかっていた。

アメリカ政府系メディア・RFAなどによると、上海市では27日夜、食料品などの買い占めが起きたという。先行して封鎖される東側に位置する浦東新区ではこの日、スーパーマーケットなどの営業を深夜0時まで延長。「買い占めで人がごった煮になる。ロックダウンも無駄になるぞ」「さっさと買い占めに行けということか」などと批判的なコメントが相次いだ。

台湾・三立テレビは上海の映像として、空になったスーパーの棚や、物資をめぐってもみ合いになる人たちの様子を伝えている。

中国はこれまで、厳格な水際対策や隔離措置、それに徹底した検査体制を組み合わせた「ゼロコロナ」で感染を抑えてきた。しかし、突然の封鎖措置や経済活動の制限など、市民に負担を強いる側面もあり、ネットユーザーからは不満の声も上がる。

SNS・ウェイボーでは「こんなに人が密集しているのに政府は放置。(感染が爆発的に広まった)香港のようになるぞ。政府が『横たわり(無気力な人などを指す)』をしたいのならば素直に言ってくれれば良いのに」とか「上海市政府の何人が処分されるのだろう」などと苦言するコメントが並ぶ。

これまで中国メディアには、感染が拡大する西側諸国と比較して、中国のゼロコロナ対策が優れているとした評論が掲載されてきた

これを意識してか「コロナそのものが怖いのか、ゼロコロナ政策が怖いのか時々分からなくなる。上海ではなぜ買い占めが起き、『zf』が物資を提供してくれると信じられないのか。他の国の報道を見ていて、我々はどの視点から外国人を笑えるのだろうか?」と疑問を呈する投稿もあった。

「zf」は中国のネット空間で用いられる隠語で、「政府」を表す。この書き込みはまもなく削除された。