イギリスのロンドン中心部にあるロシアの富豪の邸宅を、抗議者のグループが占拠した。
その後、抗議者らは警察によって逮捕された。
彼らは、ウクライナから避難してきた人たちのために、邸宅を解放するべきだと訴えていた。
「必要のないものがたくさんある」
抗議者らは3月14日未明、ロシア人のオレグ・デリパスカ氏の邸宅を占拠した。デリパスカ氏は、「オリガルヒ」と呼ばれる新興財閥の有力者の1人。
抗議者らは邸宅のバルコニーに座り、「この物件は解放された」と記された横断幕やウクライナの国旗などを掲げていた。
その後、警察によって包囲され、BBCによると、計8人が逮捕された。
デリパスカ氏は「アルミ王」とも呼ばれる実業家で、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、イギリス政府による制裁の対象となった。
インディペンデントによると、デリパスカ氏はロシア政府とプーチン大統領に密接に関係しているとされ、その資産は23億ポンド(約3500億円)と推定されている。
ガーディアンによると、抗議者らはウクライナから避難してきた人たちのために、邸宅を解放するべきだと語っていた。周辺には、他にも裕福なロシア人によって購入された不動産があるという。
抗議者らは、デリパスカ氏の邸宅内にはおよそ200の部屋があり、ホームシアターや芸術作品など「普通の人間には必要のないものがたくさんある」と述べた。
ロンドン市長「避難民たちが暫定的に使えるようにすべき」と主張
オリガルヒの邸宅を避難民のために活用するべきという意見は、他からも上がっている。
ロンドン市長のサディク・カーン氏はITVニュース ロンドンに対し、「政府はこれらの邸宅を押収すべきであり、売却される前にウクライナから逃れてきた人たちが暫定的に使えるようにするべきだ」と語った。
イギリスの在宅・コミュニティ・地方自治相のマイケル・ゴーヴ氏は3月13日、BBCの番組でイギリス国内にあるオリガルヒの不動産を避難民の支援に活用する可能性を示唆したが、実現するための法的ハードルの高さについても言及していた。