ウクライナ脱出、アフリカ人・アジア人向けのホットラインを開設。「相互尊重と理解を」

ウクライナからの国外避難をめぐり、アフリカ人らへの人種差別が指摘されていた問題。ウクライナの外相がホットラインを開設したと明らかにしました。
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ポーランドのプシェミシルに到着したウクライナから避難してきた人々(2022年3月1日撮影)
NurPhoto via Getty Images

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ。

多くの市民の国外への避難が広がる中、アフリカ人らが不公平な扱いを受けていた問題で、ウクライナのクレバ外相は日本時間3月3日、「出国を希望するアフリカ人やアジア人、その他の学生のために、緊急ホットラインを開設した」とTwitterで表明した。

クレバ氏は、ホットラインにつながる電話番号を公表した上で、「私たちは彼らの安全を確保し、通行を急ぐために集中的に取り組んでいます。ロシアは私たち全てに影響を与える侵略行為を止めなければならない」と訴えた。

動画も投稿し、西側への国境検問所は24時間開いていると伝え、「すべての国籍の方に、先着順で対応しています」とした上で、「この困難な時期に国境を越える人は、国境にいるすべての人に相互尊重と理解を示すようお願いします」などと伝えている。

どんな経緯だった?

国外への避難をめぐっては、アフリカ人が不公平な扱いを受けたという報告があったとして、 ナイジェリア政府やアフリカ連合(AU)が人種差別に抗議していた。

ナイジェリア政府は2月28日にTwitterで、ポーランドとの国境に向かうバスや電車に乗ろうとしたところ拒否された人などがいたとして、国境警備隊の対応に抗議していた。

同日、アフリカ55の国・地域を代表するアフリカ連合(AU)も、事務局長であるセネガルのサル大統領とムーサ・ファキ・マハマト委員長が共同声明を発表。「人種的なアイデンティティにかかわらず、紛争から逃れるすべての人々に、等しく共感と支援を示すよう」求めた。

3月1日には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ氏が会見で、国外への避難において、「ウクライナ人と、ウクライナ人ではない人との間で異なる扱い」があったとし、「どんな人も平等な扱いを受けられるよう、介入を続けていく」と述べていた。