ウクライナへの軍事侵攻が続く中、ロシアで高齢の反戦活動家が抗議活動中に警察当局に連行された。反戦を訴える声はロシア国内にも広がり、デモ参加者たちが次々に拘束されている。
英メディア・ガーディアンによると、警察に連行されたエレナ・オシポワさんは第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによって900日間近くにわたり包囲された「レニングラード包囲戦」の生存者という。
オシポワさんは、サンクトペテルブルク市内の街頭に立ち、手書きのポスターを掲げてウクライナ侵攻に抗議をしていた。反戦デモの参加者たちがオシポワさんを取り囲み拍手を送る中、複数の警察官がオシポワさんに近づき連行。現場からの立ち退きを余儀なくされた。
ナチス・ドイツ軍は1941年にレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)を包囲。戦火と飢餓で多くの人が犠牲になり、1944年に解放されるまでに60万〜100万人もの市民が死亡したといわれている。
ウクライナ侵攻が始まって以降、ロシア全土の主要都市で反戦デモが発生した。デモ隊鎮圧のための警備がサンクトペテルブルクやモスクワなど各地に配置され、6500人以上の反戦デモ参加者らが拘束されたと伝えられている。
CNNによると、ロシア語の署名サイトには3月1日までに、ウクライナでの戦争に反対する署名に100万人以上の賛同が寄せられているという。
ロシアのアスリートや著名人たちからも、軍事侵攻に抗議し、反戦を訴える声が上がっている。
【訂正】2022年3月3日12:35
タイトルで、女性の年齢に関する表記を訂正しました。