TBSの安住紳一郎アナウンサーが2月20日、TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』に出演し、北京オリンピックの放送に関する話題に触れた。
踏み込んだ発言がまじったその内容に多くの反響が寄せられた。どのような話が展開されたのか。
「なんていうやり方だぁ」。安住アナ、思わず愚痴漏らす
自身は同局の北京オリンピック総合司会も務めた安住アナ。番組の冒頭ではオリンピックの放送体制などに対し、次のように言及した。
「得するのはNHKだけだよ。五輪(の放送)を一緒にやろうって言ってさぁ、お金を出しといて、民放が放送する種目は裏のBS(チャンネル)でやるっていうさぁ...。なんていうやり方だぁ。今日もどうせNHK総合で見るんでしょう。知ってるんだからぁ。民放テレビなんて潰れればいいと思ってるんでしょ。すぐ、みんな言うもんね、『スポーツはNHKで見た方がいいんだ』みたいな。見ればいいじゃないの。民放テレビ、ラジオが無くなってどんな感想を抱くか、思い知ればいいわ」
この日は、同時刻に注目のカーリング女子の決勝が行われていた。
それを踏まえ、安住アナは「どうせ今日なんて誰も聴いてないんだから、私も思いの丈をいっぱい述べちゃうわ」と同番組ではお馴染みの自虐まじりのコメントで笑いを誘った。
Twitterでは「めちゃくちゃ笑った」「本音すぎて面白い」などと多くの反応があった。
安住アナが指摘したように、同じ競技がNHKと民放で放送される場合、NHKでの視聴を選択する人は少なくない。これは、オリンピック放送に限らず、例えばプロ野球の日本シリーズやJリーグの注目試合などにも当てはまる。
NHKでの視聴を選択する理由として「(民放の場合は)途中でコマーシャルが入ること」を挙げる人も多い。北京オリンピックでも試合やインタビューの途中でコマーシャルが入り、放送が途切れたことが実際に見受けられた。
また、「(民放の放送は)試合前の無駄に長いVTRが嫌い」という指摘もある。
「おかしいよね?」安住アナが疑問に思ったこと
本音交じりのオープニングトークはさらに進んでいった。次に飛び出したのは、SNSでの誹謗中傷や悪口に対する私見だった。
「今はね、色々な意見を言うことが自由になっていますけどね、スポーツ選手とか芸能人とかの悪口というのはSNSに書き込んではいけないというコンセンサスが取れてきていますよね。良いことだと思います」
その上で、安住アナは次のように踏み込んだ。
「スポーツ選手にインタビューするアナウンサーの悪口は書き込んでもいいらしいじゃない。おかしいよね?なんでかなと思っています」
実際に北京オリンピックの期間中、アナウンサーの実況や放送の進行に対する批判はTwitterなどのSNSで数多く投稿されていた。
言葉で状況を正確に伝える役割を担うプロとして放送に関わる以上、視聴者に分かりやすく伝える技術やスキルは言わずもがな重要なものだ。
だが、「アスリートも1人の人間」と言うのならば、放送に関わる者も同じ1人の人間。度が過ぎた誹謗中傷は同じように許されないはずだ。
安住アナは「色んなことを考える朝です」とした上で、「今日(番組を)お聞きの皆さんが本当のお客様です」と、同番組で度々聞かれる“恒例”の言葉で冒頭のトークを締めていた。