カリブ海に浮かぶ南国・ジャマイカの男子4人乗りボブスレーチームが、北京大会で24年ぶりに冬季オリンピックに出場する。
ジャマイカのボブスレー・スケルトン連盟は北京大会が開幕した2月4日夜にTwitterを更新し、ボブスレーの選手たちがレゲエの音楽に合わせて踊る様子を投稿。「彼らが戻ってきた」などと反響が広がった。
カルガリー大会で冬季初出場
ジャマイカのボブスレーチームは、1988年のカルガリー冬季オリンピックに初出場した。
共同通信によると、陸上競技の短距離選手らでチームを結成し、2人乗りは30位、4人乗りは棄権と成績は振るわなかった。トレーニングを開始したのは、オリンピック出場のわずか5ヶ月前だったという。
だが、その実話をもとにした映画「クール・ランニング」が1993年に公開されると世界中で大ヒット。ユーモラスな物語が人々を魅了した。
実際のジャマイカチームはその後も奮闘を続けた。
4人乗りは1992年のアルベールビル大会で25位、1994年のリレハンメル大会では14位に入った。男子2人乗りは2014年のソチ五輪にも出場したが、最下位で3回戦敗退に終わった。
単なる映画ではない
北京大会に出場する選手たちは、気合十分のようだ。
シャンウェイン・スティーブンス選手は「私たちは、単なる映画ではない」と言い切る。「私たちは実際に激しい競争相手であることを示したいと思っています。そして、大会で良いパフォーマンスを発揮するためにそこにいます」と「olympics.com」に語った。
ロイター通信によると、北京大会を目指していた2020年には、新型コロナによるロックダウンでトレーニングジムが利用できず、路上で車を押してコンディションの維持を図った姿も話題になった。
北京大会には、女子1人乗りボブスレーとアルペンスキーを含めて、計6人の選手が出場する。アルペンスキーは初出場となる。
アルペンスキーに出場するベンジャミン・アレクサンダー選手は、DJとして世界中を飛び回ってきた異色の経歴を持つ。2015年にスキーの練習を始め、38歳でオリンピック出場をかなえた。
ボブスレー男子4人乗りは2月19、20日に予定されている。
金ローで2月11日放送へ
映画「クール・ランニング」は2月11日、日本テレビ系の金曜ロードショーで放送される。実際の競技とともに、カルガリー大会の実話に基づく物語も楽しめそうだ。