私たちに身近な食品などの値上げが相次いでいます。
2月以降、値上げされる主なものと、その理由についてまとめました。
ちくわやハム、パスタ、冷凍食品など…相次ぐ食品の値上げ
日本水産(ニッスイ)は2月1日から、ちくわやかに風味かまぼこなどの練り製品など「家庭用すり身製品」50品を約5〜13%値上げする。「家庭用冷凍食品」53品は約4〜13%、「業務用冷凍食品」179品も約1〜13%の値上げとなる。紀文は2月28日から、 魚肉練り製品などを平均で約8%値上げする。
味の素冷凍食品も2月1日から、ハンバーグなどの家庭用製品を約4〜13%、業務用製品を約3〜8%値上げする。
マルハニチロは、家庭用冷凍食品を2〜23%、2月1日から値上げする。3月1日からは、サバ・イワシ・サンマ・マグロ・カツオ・ツナなどの「家庭用缶詰・瓶詰商品」41品を約3~15%、カニ(ギフト品)2品は約107%、フィッシュソーセージやちくわなどの「家庭用すりみ商品」は約5~11%、値上げする。
ニップンも2月1日から、お弁当パスタやワンプレート商品などの「家庭用冷凍食品」を約5〜12%値上げする。家庭用パスタや家庭用パスタソースは約2〜9.5%、乾麺は約1.5〜5.5%の値上げとなる。一方、家庭用小麦粉は1月4日から約1.5〜9%の値上げとなっている。
日清製粉ウェルナも2月1日からパスタやパスタソース製品を約3~9%値上げする。小麦粉製品は1月4日から約3〜6%値上げされている。
日本ハムも2月1日から、家庭向けのハム・ソーセージ40品、加工食品133品、業務用食品232品目、冷凍食品19品を5〜12%値上げする。プリマハムも2月1日から、家庭用ハム・ソーセージや家庭用加工食品など計200品を5〜12%値上げする。
キッコーマンが2月16日から「キッコーマンしょうゆ(だししょうゆ含む)」を約4〜10%値上げし、日清オイリオグループが4月1日からドレッシング類の値上げを予定しているなど、今後も生活に身近な商品の値上げが続きそうだ。
電気やガス料金も
大手電力会社と大手ガス会社も2月から一斉に料金が値上げとなる。
電力大手10社は、使用量が平均的な家庭で1月と比べ東京電力が330円、中部電力が351円、関西電力は215円高くなる。
東京ガスや大阪ガスなど大手4社で200円以上の値上げとなる。
3月も値上げが続くと報じられており、今後も値上げの波は続きそうだ。
相次ぐ値上げ、なぜ?
なぜ値上げが相次いでいるのか。主な理由は、原材料の価格高騰と、原油価格の高騰による物流費や包装資材の価格上昇だ。
冷凍食品などを値上げするニッスイは、「世界各国での食糧需要の拡大による原材料の価格高騰、国内外での人件費の増加、原油価格の高騰に伴う燃料・包装資材および物流費の上昇は、今や避けることのできない状況となっています」と説明。
スケソウダラなどの白身魚のすり身やフィレは各国で需要が増加する一方、最大の生産地である北米では、漁獲された魚体の多くが小型であることから生産効率が低下し、製品であるすり身やフィレの価格が高騰しているという。
味の素冷凍食品も「昨今の原材料費、エネルギー費、包材費等の製造コストおよび物流費の上昇により、一部製品の当社出荷価格および容量改定を実施せざるを得ない状況となりました」説明している。
マルハニチロも原材料価格の上昇や原油価格の高騰などを挙げ、「出荷価格の維持に努めてまいりましたが、コスト吸収の限度を超える状況となりました」と訴えている。
湖池屋は、原材料価格の上昇などのほか、「今夏の北海道における記録的な猛暑と少雨により馬鈴薯の収穫量が減少する見込みであり、事業運営に大きな影響を及ぼす状況となっております」と説明した。
日清オイリオグループは「主原料の食用油を取り巻くコスト環境は、世界的な脱炭素の動きの加速によるバイオ燃料需要の増加や、中国の旺盛な大豆需要、カナダの高温乾燥による菜種の大減産など需給改善の見通しが立たないことなど、益々厳しさを増しています」とし、現状の価格での販売は大変困難な状況となったと説明している。
電気料金、ガス料金の値上げは、火力発電に使う液化天然ガスなど、燃料の輸入価格上昇が原因とされている。日本は火力発電への依存度が高く、天然ガスや原油などの燃料の輸入に頼っている。