「なぜ雨の日は天気が悪いというの」小学生の質問が「深い」と話題

子ども科学電話相談に寄せられた質問。自身の考えを伝えた小学生に、回答者の気象予報士は「半分以上正解」と返した。
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雨が好きな人もいるのに、なぜ「天気が悪い」と言うの?(イメージ写真。記事中の小学生とは関係がありません)
Copyright Crezalyn Nerona Uratsuji via Getty Images

「なぜ雨の日は天気が悪いというの?」

NHKラジオの人気番組「子ども科学電話相談」で、ある小学生から寄せられた質問が「深い」「感性の豊さに感動」などと話題になっている。

放送されたのは1月30日の回で、天気・気象のコーナーだった。質問者である東京都の小学5年生が、気象予報士の福田寛之さんに「なぜ雨の日は天気が悪いというのですか?」と尋ねた。

 

「雨が好きな人もいるから」

福田さんが「これは、誰かがそう言っているのを聞いたんですか?」と問い返すと、質問者の小学生は「お母さんとか」と回答。続けて、福田さんが「天気が悪いという言い方をするのは、なんで不思議だと思ったんですか?」と尋ねると、小学生は「雨が好きだっていう人もいるから」と返した。

回答者の意見を受け、福田さんは「今答えてくれたことで半分以上正解なんですけど」と前置きした上で、こう続けた。

「世の中には、雨が降るのが好きな人もいれば、ちょっと嫌だなって人もいて。でもどちらかというと、雨が降ると外で仕事ができなかったりとか、出かける時に傘を持っていく必要があったりとかですね、自分にとって都合が悪いことがあると思う人が多かったから、みんなが雨の日のことを『天気が悪いですね』と言うようになったんじゃないかなと先生は思います」

 

決めつけて言わない

さらに福田さんは、回答者が好きだという「雪」を例に、雪が好きな人がいる半面、降雪量の多い地域などでは雪が降ってもワクワクしない人もいると言及。「自分がどう思うかでその人が天気が良いなとか、悪いなと言うと思うので。もしお母さんが『今日は天気が悪いね』と言ったとしたら、お母さんにとって今日の天気はちょっと都合が悪いんだな、というふうに感じてもらえたらいいのかなと思います」と伝えた。

気象キャスターとして、ラジオで天気予報を伝えることもある福田さん。予報の際には、「雨が降っても『天気が悪い』とはめったに言いません」と番組で紹介した。

なぜ「天気が悪い」と言わないようにしているのか?福田さんは、「聞いている人にはいろんな立場の人がいて、雨を待っている人もいるかもしれない」ことを理由に、天気を予報する側が決めつけて発言しないよう意識していると話した。

小学生の質問や福田さんとの対話について、SNS上では「着眼点が素晴らしくて感動」「こういう疑問を持つのは大事」「小説みたいなやり取り」などの声が上がっている。