「5歳以下の子どもには豆まきの豆を食べさせないで!」
2月3日の節分を前に、長野県の佐久医師会などが主宰・運営する「教えてドクター佐久」が、Twitterで注意喚起しています。
毎年、節分の豆を食べた子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故が懸念されていることを受けての発信です。
消費者庁も2021年1月、硬い豆やナッツを食べさせないで欲しい年齢について、「3歳ごろまで」から「5歳以下」に引き上げました。
きっかけは、2020年に島根県の認定保育園で4歳の子どもが節分の豆を喉につまらせて死亡した事故が起きたこと。
消費者庁の調査では、2019年までの6年間で食品を誤嚥して窒息死した14歳以下の子どもは80人。そのうち9割にあたる73人が、5歳以下の子どもでした。
消費者庁の担当者は2021年当時「お子さんによって噛む力などは異なるので、与えるときには大人がしっかり様子を見てほしい」と説明しています。
誤嚥や窒息、対処法は?
節分に限らず、もし万が一、食品などを喉に詰まらせて窒息が起きたらどうすればいいのでしょうか。
教えてドクター佐久が、対処法のイラストを投稿しました。それを基に、1歳以上のケース(※1歳以下の赤ちゃんは対処法が異なるので実施しないでください)について紹介します。
まずは「大きな声で話しかける」ことです。▽反応がない場合は「大声で助けを呼ぶ」▽人がいる場合は「119番通報を依頼」▽誰もいない場合は「胸骨圧迫・人工呼吸」と対応を説明しています。
反応がある場合
反応がある場合の対処法として、イラストでは腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)を紹介しています。
手順は次の通り。
① 子どもの後ろに回って、立つもしくは膝まづいて、お腹(みぞおちの下)に両腕を回す
② 片方の手でコブシをつくり、もう一方の手で覆うように握る。そのコブシを子どものお腹に押しつけ、力を込めて早く上に突き上げる
③ 喉から詰まったものが排出されるまで続ける。意識がなくなったら中止する
「つまりを解除するというイメージで、1回1回確実な動作で」と呼びかけています。
反応がない、途中で意識がなくなった場合
次に、呼びかけに反応がない場合や、途中で意識がなくなった際の対処法。
胸骨圧迫と人工呼吸を交互に繰り返すようにと説明しています。
手順は次の通り。
胸骨圧迫
① 周囲の安全を確認して、静かに床(硬くて平らな平面)に寝かせる
② 胸の真ん中部分を1分間に100〜120回、胸の厚さの1/3沈むよう絶え間なく押す(中断は10秒未満)
人工呼吸
① 鼻をつまみ、あごを持ち上げて気道を確保。子どもの口に1秒間息を吹きこむ
② 息を吹き込みながら胸が上がるのを確認する
③ 息を吹き込んだら一旦口を離す
回数や間隔について、胸骨圧迫は「アンパンマンマーチの速さで30回」、人工呼吸は「1秒間息を吹き込む動作を2回」と例を示しています。
この動作を5セット(2分間)行った後、また救護要請していなければ、119番するよう呼びかけています。
「教えてドクター佐久」のTwitterや公式サイトでは、1歳未満の赤ちゃんのケースもイラストで紹介しているので、そちらも参照してみてください。