「たくさんの丸が並んだ点字ブロック。よく見ると、アンパンマンの顔があった!」そんな写真がTwitter上で話題になっています。
この点字ブロックが設置されているのは、アンパンマンの世界を体験できる施設「仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール」と「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」の2施設。「うわ!ほんとだー」「こういうのキュンとする」と感激する声が上がっています。
気がつくとうれしい、粋な小ネタを仕込んだ理由について、施設の担当者に聞きました。
■確かにアンパンマンの顔が隠れていました
仙台アンパンマンこどもミュージアム&モールから提供された写真をじっくり探すと……。たしかにアンパンマンの顔がありました。
どこで見られる?
丸が並んでいる点字ブロックは、「警告ブロック」や「点状ブロック」と呼ばれます。危険箇所や誘導対象施設等の位置を示す狙いで、階段や横断歩道の前、誘導ブロックが交差する分岐点、障害物の前、駅のホームの端などに設置されています。
アンパンマンの点字ブロックは、普通の点字ブロックに何個かアンパンマンの顔があしらわれているブロックが隠れているような仕様になっています。
仙台アンパンマンこどもミュージアム&モールでの設置場所は、ミュージアムの出口や、「ドキンズハートシェイプカフェ」のスロープなど。
■「こんなところにアンパンマンがいる!」という仕掛けの一環と担当者
なぜこんな小ネタがしこんであるのでしょうか。神戸アンパンマンこどもミュージアム&モールの広報担当者は、ハフポスト日本版の取材に以下のように答えました。
「未就学のお子様たちは、好奇心が旺盛で、施設内の大きな仕掛けから、小さな仕掛けまで気づいて、見つけたら笑顔がこぼれます。『こんなところにアンパンマンがいる!』という喜びを色んなところに仕掛けており、その一つが、この点字ブロックとなっております。他にも、隠れたアンパンマンや仲間たちが館内の壁や床に隠れていたり、アンパンマンのお話の中にでてくる『勇気の花』が1つだけ咲いていたりします。ぜひ、楽しんでみてもらえたら嬉しいです」
■「視覚障害者には認識できないアート」と指摘する声も
SNSで大きな反響があったアンパンマンの点字ブロック。その中には批判的な声もありました。点字ブロックは本来、視覚障害者が安全に移動するためにサポートするのが目的です。しかし、このアンパンマンの点字ブロックは足で踏むもののため、本来の利用者である視覚障害者が発見することが難しいためです。
「点字ブロックに刻印されていても、目の不自由な方は気付かないと思うとなんだか切ない」といった声や、「視覚障害者の生活に必要な点字ブロックが、視覚健常者のみに認識できるアートとして利用されてるのは皮肉」といったツイートも見受けられました。
<取材・文=佐藤雄(@takeruc10)/ハフポスト日本版>