通常国会が1月17日、開会し、岸田文雄首相が「初めて」となる施政方針演説に臨みました。
あれ、岸田首相ってこれまでにも国会で演説していなかったっけ…?
それは、「所信表明演説」です。2021年10月4日に召集された臨時国会で首相に選出された岸田首相は、初めての所信表明演説を10月8日に行いました。
その後、衆院が解散され、衆院選を経て再び首相に選出された岸田首相。12月6日に召集された臨時国会でも所信表明演説を行っています。
1月17日に行われた「施政方針演説」と「所信表明演説」は、どちらも首相が国会の本会議で行う演説であることは同じですが、その違いはどんなところにあるのでしょうか。
通常国会で行われるのが「施政方針演説」
参議院によると、施政方針演説は、政府の長が議会に対して1年間の基本的政策や政治方針を示すために行う演説と解説しています。毎年1月に召集される「通常国会」の冒頭で、首相が衆参両院の本会議で行います。内閣を代表して国政全般にわたる基本方針を示すものです。
ちなみに、首相官邸によると「通常国会」とは、毎年1回、1月中に召集されるもの。次の年度の国の予算や、予算を実行するために必要な法律案を審議する役割を持ったものと解説しています。会期は150日間と定められていますが、1回まで延長が可能です。
一方、必要に応じて召集される「臨時国会」や、衆院解散による総選挙後に召集される「特別国会」で行われるのが「所信表明演説」です。「施政方針演説」が1年間の内閣全体の基本方針を示すのに対し、「所信表明演説」でも内閣の基本方針を示すことは同じですが、当面の問題を中心にその国会における内閣の方針を示すものとされています。