まるで海の中で「踊っている」よう…光り輝くマントを纏った「タコ」の姿がオーストラリアで捉えられた。
ガーディアンによると、目撃されたのは「ブランケット・オクトパス」(Blanket octopuses)と呼ばれる海洋軟体動物。野生で目撃されるのは珍しいという。
海洋生物学者のジャシンタ・シャクルトン(Jacinta Shackleton)さんが1月、世界最大のサンゴ礁群「グレート・バリア・リーフ」に位置するレディー・エリオット島沖で発見した。
シャクルトンさんのInstagramの投稿によると、目撃したのはメス。投稿された動画や写真を見ると、薄く透き通っていて、泳ぐ姿がまるでダンスをしているようだ。赤や黄、紫色などカラフルな色を身に纏っていて、光の当たり具合によって複雑な色に変化しているようにも見える。
シャクルトンさんはガーディアンの取材に「最初に見たときは、ヒレの長い稚魚かもしれないと思っていましたが、近づくとメスのタコであることに気づき、大きな喜びと興奮を味わいました」と振り返った。 Instagramに「私にとって一生に一度の出会いです!」と綴った。
オーストラリアの公共放送・ABCニュースによると、ブランケット・オクトパスの目撃は非常に珍しく、レディー・エリオット島沖ではこれまで3回しか目撃されていなかったという。
■メスとオスで体格に差
グレートバリアリーフ財団によると、ブランケット・オクトパスの名前の由来はマントのようなメスの特徴に由来している。
メスは2メートルまで成長し、このマントで捕食者を威圧する。一方でオスは2.4センチまでしか成長しないといい、性別によるサイズの不一致は「動物界で最大」になるという。
また、一生を外洋に浮かんで過ごし、脅威が訪れると深海に急降下する。マントは折り畳むことができ、必要に応じて素早く泳ぐこともできる。