空気の乾燥や冷えにマスク生活の影響も加わり、カサつき、ピリピリ感、かゆみ、皮むけ、ひび割れなどに悩まされる人が増えているようです。
ウェザーニュースが実施したアンケート調査によると、今シーズンすでにリップクリームを使った人の割合は、男性は24%なのに対して女性は65%にものぼります。
乾燥する時期はより、デリケートになる唇を守るためにリップクリームが欠かせません。塗り方のポイントを皮膚科専門医に教えていただきます。
乾燥と刺激から唇荒れに
気温が下がり空気の乾燥も厳しくなっています。唇に皮むけや、かゆみ、ピリピリした痛みなど、唇荒れが気になることはないでしょうか。
「唇の皮膚はとてもデリケート。もともと角質層が薄く皮脂腺もないため、油分や水分が抜けやすく乾燥しやすいのです。秋から冬にかけて空気の乾燥がひどくなると、唇荒れからひび割れなど辛い症状に進んでしまう人も増えます」と、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生は心配します。
さらに唇にとって負担となっているのが、今や生活に欠かせなくなってしまったマスクです。
「マスクの不織布などに油分を取られたり、こすれたりすると唇の皮膚に刺激となります。また、マスク着用中は内部の湿度が保たれていますが、外したときに一気に乾燥が進むのです」(野村先生)
唇が荒れたりひび割れるとより刺激に弱くなり、食事やマスク着用も辛くなってしまいます。トラブルになる前から、リップクリームでケアすることが大切です。
リップクリーム4つのポイント
乾燥や刺激から唇を守るには、リップクリームなどで表面に保護膜を作ることです。ポイントは4つ。
(1)唇全体に優しくつける
グリグリこすってしまうのは、NGです。
「力をこめてすり込むのはよくありません。そっとのせるように、唇全体を優しくなぞるようにつけましょう。急いでつけると、力が加わってしまうことが多いようなので、ゆっくりつけることを意識するといいかもしれません」(野村先生)
(2)リップクリームを温める
寒さでリップクリームが冷えると、かたくなってしまいます。
「かたいとこすりつけてしまうもとに。ポケットに入れておいたり、使う前に手で少し温めるようにするとよいでしょう」(野村先生)
(3)マスク着用時や食事の前後も忘れずに
マスク着用は、摩擦などで気づかぬうちに唇の皮膚への負担となっています。
「マスク着用前にリップクリームを塗っておきましょう。外した後も唇が乾燥しやすいのですぐにつけます。
また、唇が荒れ気味な人は食事の前にも塗って、調味料などの刺激から保護します。食後は、ティッシュなどで優しく唇を押さえ、汚れを取ってから塗り直しましょう」(野村先生)
(4)寝る前はたっぷりめに
夜は、皮膚の回復のためにも大切な時間です。
「夜はたっぷりつけて、保湿ケアをします。油分の多いワセリンや柔らかいジャータイプがおすすめです。ジャータイプは清潔を保つため、綿棒でつけます」(野村先生)
昼は持ち運びやすいスティックタイプを使い、夜はワセリンやジャータイプと使いわけするのもよいといいます。
指先にも注意を
もうひとつ注意したいのが、指先の清潔さです。
「新型コロナウイルス感染症対策だけでなく、さまざまなものに触った可能性のある指で、唇に触るのは避けたいものです。
外出から帰ってマスクを外したら、必ず手や顔を洗ってキレイにしてからリップクリームをつけます。同様に、歯磨き後は歯磨き粉が残らないようによくすすいでからにします。ジャータイプのリップクリームをつける場合は、綿棒を使うかしっかり洗った手でつけましょう」(野村先生)
唇は顔の印象を左右する大切なパーツですが、それは健康のバロメーターでもあるからだといいます。正しいケアで、健やかに保ちたいものです。
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