サッカーJ1・湘南ベルマーレは所属していたオリベイラ選手が死去したと11月24日に発表した。
同選手が死去したのは23日午前0時ごろで、行政検視の結果、死因は「急性うっ血性心不全」だったという。どのようなものなのか。
「急性うっ血性心不全」とは?
日本救急医学会によると、そもそも心不全とは「心臓の異常のために全身の臓器の需要に見合うだけの血液を心臓が駆出できなくなった結果、惹起される循環系の病的状態(循環不全)」のことをいう。
「うっ血性心不全」は、一般的には「慢性うっ血性心不全」を指し、ナトリウムと水分が過剰に蓄積されて体循環系または肺循環系に浮腫が存在する状態だ。
オリベイラ選手の死因とされる「急性うっ血性心不全」は、「ナトリウムと水分が、体内に一定以上に貯留される前に体循環系から肺循環系にシフトすることにより生ずる肺うっ血が主体で、体重増加を伴わなくてもよい」と説明されている。
具体的には、どのような症状が出るのか。
慶應義塾大学病院医療・健康情報サイトによれば、「慢性」の心不全では「疲れやすく、動作に伴う息切れ、食欲不振、運動能力低下、頑固な咳、動悸、まれにピンク色の泡状の痰の出現、下腿浮腫、むくみを伴う突然の体重増加、夜間就寝中の呼吸困難」などが徐々に起こるという。
一方、オリベイラ選手のケースのように「急性」の場合は、これらの症状が突然現れ呼吸が困難となり、呼びかけに応答ができない・意識がもうろうとするなどの症状を伴うこともあるという。
東京都福祉保健局は「短時間での心肺停止の場合、実際に家族や知人らがそばにいて直ちに救急搬送してもほとんどの例で蘇生は稀ですので、助けることは極めて困難であるといわざるを得ません」と説明している。
急性心臓死、日常生活で気をつけるべき事
「急性うっ血性心不全」を含む急性心臓死について、東京都福祉保健局は予防のために日常生活で気をつけるべきことを、7点にわたって以下のように紹介している。
会社などの定期健康診断は必ず受診すること
年に数回は血圧測定をすること(特に30歳以上の人)
塩分はできるだけ少なくする。肥満を防ぐ
何か症状が出たら医療機関に受診する
禁煙
ストレスをさける(特に競争心が強い努力家、性急、短気な人)
スポーツなどの趣味を適度に生活の中に取り入れ、睡眠を十分に取る
23歳という若いアスリートの突然の死。クラブによると、11月27日のJ1リーグ第37節徳島ヴォルティス戦で献花台を設置する予定だという。