「選挙には、見えない格差がある。視覚障がい者にとって。」
こう呼びかける特設サイトをYahoo! JAPANが10月25日までに公開し、SNSなどで話題になっている。
「聞こえる選挙」と題したこのサイトは、候補者や政党の政見などを掲載した「選挙公報」を、読み上げソフトに対応するようにして公開したもの。
サイトによると、視覚障がいを持つ人たちはインターネット上の情報を音声に変換して聞き取っているが、PDF形式で配布される「選挙公報」は対応できないことがあるという。
サイトでは、その意義についてこう示している。
日本全国における視覚障がい者の方々の数は10.5万人と言われています。国政・地方選挙に際して発行される選挙公報は、PDF形式でも配布されますが、視覚障がい者の方々が利用する読み上げソフト(スクリーンリーダー)に対応していません。PDF形式の選挙広報では、全体が画像として扱われていて、テキスト情報を含んでいないためです。そこで、Yahoo! JAPANは選挙公報の情報をテキスト化して本ウェブサイト上に掲載し、スクリーンリーダーで正常に読み上げられるようにしました。
Yahoo! JAPANの「聞こえる選挙」は、2017年7月の東京都議選から始まり、2017年10月の衆院選、2019年7月の参院選でも実施され、今回で4回目となる。
今回の衆院選のサイトでは、各党の政策が掲載されているほか、全国の小選挙区の全ての候補者のプロフィールや政策も順次掲載される。投開票の翌日以降、得票数や当落結果などの情報も順次掲載する予定だという。
Yahoo! JAPANの広報担当者はハフポスト日本版の取材に対し、「元々は視覚障がいの当事者の方々に選挙情報を入手しやすい形で提供する目的から始まりましたが、選挙公報などに文字情報が付加されるなどの制度化が実現し、『聞こえる選挙』が必要なくなることがベストだと考えています」と話す。
その上で、「当事者以外の方々に、視覚障がいを持つ方々がどう情報を取得しているのかを知るきっかけにもしてもらえれば」と話している。
【Yahoo! JAPANの「聞こえる選挙」のサイトはこちら】