東京都の公共施設のトイレに生理用品の設置することを求めることを目的としたインターネット上の署名活動に、賛同が寄せられている。
生理用品を十分に手に入れることができない、いわゆる「生理の貧困」への対応が課題となっている中、高校3年の小林れいりさんが9月19日から署名サイト「change.org」で開始した。23日午前の時点で1800人以上の賛同が集まっている。
署名活動、きっかけは過去の経験
今回の署名活動による要望は「東京都の公共施設の女子トイレ・多目的トイレに生理用品を設置して下さい」として、東京都生活文化局と東京都福祉保健局に宛てられたもの。
小林さんは「私自身、生理用品を節約する為にトイレットペーパーを詰めていた経験があります。しかし、ガサガサした紙がずっと当たっていることで肌がかぶれて痛み、生理中はなかなか勉強に集中出来ませんでした。もうこの様に苦しむ人を増やしたくないという強い思いからこの署名キャンペーンを始めました」と活動を始めた理由をハフポスト日本版に文章で寄せた。
東京都の対応策、何が足りない?
東京都では2021年9月から、対応策として都立高校に生理用品を設置することが決まったが、小林さんは「都立高校に通っていない人には十分な支援が届きません」と課題を指摘。
区役所の窓口などで配布している自治体もあるとした上で、「窓口で受け取りとなるとプライバシーが十分に守られておらず、人前で生理用品を受け取ることに抵抗を感じる方もいるのではないでしょうか」と訴えた。
公共施設の個室トイレに生理用品を置くことで「誰でも生理用品にアクセスすることが可能」になるとし、「生理があることが経済的な負担にならない社会をあなたの声でつくりませんか」と賛同を呼びかけた。
地域で対応に差。世界はもっと進んでいる
東京都では、地域によって対応が分かれている。
例えば豊島区は「生理の貧困」に直面する女性を支援するため、3月から防災備蓄用の生理用品を区内施設などで配布している。
若者によるグループ「#みんなの生理」が3月上旬にSNSで呼びかけ行ったオンライン調査では、金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者の割合が20.1%だったと発表した。
「5人に1人」が問題を抱えているという実態は大きな話題となり、対策を求める声が上がっている。
世界では、生理の貧困への対策を進める国もある。
スコットランドは2020年11月、世界で初めて生理用品の無料提供を定める法律が成立した。フランスも2021年2月、全ての大学生に対して生理用品を無料で配布すると発表している。
無料で提供する以外の方法を打ち出す国もある。CNNの報道によると、カナダ、インド、オーストラリア、ケニアや、アメリカの複数の州でも生理用品を非課税とすることで経済的負担を減らすよう取り組みが行われている。