トヨタ自動車の豊田章男社長が、新型コロナウイルス感染拡大の影響により国内で自動車レースの開催中止が相次いでいる現状について「五輪で許されても、四輪・二輪は許されない。不公平感を感じております」と述べた。記者の質問に日本自動車工業会の会長として答えたもので、四輪・二輪を五輪(オリンピック)と絡めた発言がネット上で話題になっている。
トヨタと川崎重工業は9月18日、スーパー耐久第5戦が開催されている三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで共同記者会見を開いた。
豊田社長は、モータースポーツ選手も五輪・パラリンピック選手も同じアスリートだと強調した上で「どうして入国に対しての許可が違うのか、開催の判断が違うのか。モータースポーツに関しては外国人選手がなかなか入国できない」と指摘。「『五輪で許されても、四輪・二輪はなぜですか?』というのを見出しにしてくださいよ」と報道陣に注文し、笑いを誘った。
国内で開催を予定していた自動車レースを巡っては、四輪ではF1、WRC(ラリージャパン)、WEC(世界耐久選手権)が中止に。二輪でもMotoGP、鈴鹿8耐の中止が決まっている。
トヨタは五輪・パラリンピックの最高位スポンサー。アスリート支援にも力を入れている。一方で、豊田社長は自らが自動車レースに参戦するドライバー「モリゾウ」としての顔も持っている。