自民党総裁選を控えた河野太郎氏が9月16日、報道各社のグループ取材に応じ、選挙候補者の一定数を女性にする「クオータ制」の導入について、「ちょっと私は疑問を持っている」と慎重な姿勢を示した。
「クオータ制」とは、政治分野のジェンダーギャップ解消のため、選挙候補者の一定数を女性に割り当てる制度のこと。日本は政治分野におけるジェンダーギャップ指数で156カ国中147位と最低レベルで、世界水準から大きく遅れをとっている。
衆議院の政党ごとの女性割合では自民党は約7%で、立憲民主党(約14%)など他党と比べると低い水準にとどまる。
「クオータ制」への考えについて問われた河野氏は、「(自民党が)少しずつ女性議員を増やしていく努力というのは、やっぱりしていかないといけないだろうと思う」と回答。「地方議員も様々なレベルで女性の候補者を選んでいくという努力をしていきたい」と、女性候補者増加への意欲を見せ、「女性が手を挙げられるような環境をつくるというのも大事なことだと思っている」と語った。
一方で、「クオータ制」の導入については、「今の段階で一気に数字でクオータを決めるというのがいいかどうか、ちょっとそこは私は疑問を持っている」と否定的な姿勢を示した。
130の国・地域でクオータ制を導入 超党派の勉強会も発足
朝日新聞デジタルによると、クオータ制は1970年代に北欧で、政党が自発的に導入する形で始まった。90年代後半から、ラテンアメリカやアフリカを中心に世界中に広がった。
「民主主義・選挙支援国際研究所」(IDEA)のデータベースによると、世界で130の国・地域が様々な形でクオータ制を取り入れている。これらの国・地域で、女性議員の割合の平均は26.8%を占める。
5月には、「クオータ制」の実現に向けた超党派の女性議員による勉強会も発足。自民の野田聖子氏や立憲民主の辻元清美氏ら7党の女性議員が参加した。