蚊を媒介する感染症の伝播を防ぐため、自然下でメスと交配する事で不妊を引き起こすオスの蚊の生産が中国の研究所で進められている。現地メディアが報道した。
中国・広東省のメディアによると、研究が行われているのは広東省広州市の研究所。不妊を引き起こす性質のある細菌を保有するオスの蚊が育てられている。
報道では、大量の蚊に羊の血液などを与え飼育し、卵を羽化させる様子などが紹介されている。育ったオスの蚊は自然界に放たれ、メスと交配する事で不妊を引き起こす効果が期待されるという。
蚊は1日あたり500万匹ほど野外に放たれ、研究所は「世界最大の蚊の工場」と呼ばれている。研究員は現地メディアの取材に「この細菌は人には無害だ」と話している。
使用される細菌は「ボルバキア(wolbachia)」と呼ばれるもので、過去にも同様の取り組みが海外で実施されている。例えば2017年にはアメリカ・カリフォルニア州でボルバキアに感染したオスの蚊2000万匹が放たれた。