中国で「me too」運動と言える告発が話題を呼んでいる。10年以上前、小学生だった頃のわいせつ被害を女性がネットで実名告発したところ、同様の被害を受けた女性たちが次々と名乗り出て、名指しされた校長(67歳)は警察に身柄を拘束された。
■告発から6日後に進展
告発がされたのは8月15日。中国のSNS・ウェイボーで、ある女性が実名とともに過去のわいせつ被害を訴えた。投稿によると、女性は10年以上前、湖北省の小学校に通っていたが、家庭の事情もあり月曜日から金曜日までは校内にある校長の家に下宿していた。
その際、就寝中に校長から下半身や胸を触られるなどの被害にあったという。校長の行為は3年から4年続き、同じく下宿していた他の女性も同様の被害を受けていたという。
女性は告発の中で自身について「小さな頃から自分が汚く、人よりも一段低い存在に思えました。この事件は私に10年以上付きまとい、似たようなニュースを見るたびに耐えきれないほど辛くなりました」と綴っている。
そして「このことはずっと私に暗い影を落としていました。あの男に服役してほしい。罰を受けてほしいです」としている。
女性はこれまでにも警察へ出向き、被害を訴えていたという。しかし余りにも時間が経っているため立件は難しいとされ、警察からは他の被害者の証言を集めるよう提案されていたという。
この投稿はSNSで広く拡散され、現地メディアも取り上げた。その影響もあってか、この女性の元にはすでに複数の被害者が名乗り出ているという。
公安当局も動き出した。小学校のある地元の当局は8月21日、告発された校長(67歳)を児童に対するわいせつの疑いで拘束したと発表。捜査を進めているとした。
こうした反響に女性は、「皆さんも勇気を持って立ち上がってほしい。校長は拘束され、警察も被害者の情報は保護します」とさらなる証言を呼びかけている。