アフガニスタンの反政府勢力タリバンが8月15日、首都カブールに進攻し、同国のアシュラフ・ガニ大統領は国外へ出国した。ノーベル平和賞の受賞者でパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんはTwitterで、「女性やマイノリティ、人権活動家の方々のことをとても心配しています」とコメントした。
ユスフザイさんはパキスタンで女性が教育を受ける権利を訴え、2012年にパキスタンのイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」から銃撃を受けた。その後はイギリスに移り、2014年にノーベル平和賞を受賞した。
ユサフザイさんは15日にTwitterを更新。「私たちは、タリバンがアフガニスタンを掌握するのを大きなショックをもって見ています。女性やマイノリティ、人権活動家の方々のことをとても心配しています」とコメントした。その上で、「国際社会や地域大国、地方の国々は即時停戦を要請し、緊急の人道的援助をしたり、難民や民間人を保護したりするべきです」と呼びかけた。
女性の権利や社会進出への懸念高まる
アフガニスタン政権を掌握したタリバンは、1990年代にアフガン南部で誕生した武装勢力。
厳格なイスラム教の解釈を持ち、1996年から2001年に政権を握った際には、女性の教育や就労を禁じた。現在は女性の教育を認める方針へと転換した可能性がみられるものの、政権掌握後、再び女性の権利が後退するのではないかとの懸念が強まっている。