今日7月28日(水)6時前、気象庁は「台風第8号の中心は、28日6時前に石巻市付近に上陸しました」と発表しました。
宮城県への上陸は、1951年からの統計史上初めてです。
今回の台風は中心から離れた所でも雨や風が強まっているため、中心の進路だけにとらわれず、雨雲レーダーなどで最新の状況を確認してください。
中心から離れた所にも活発な雨雲
台風に向かって吹き込む湿った東よりの風の影響で、宮城県から岩手県にかけて雨雲が発達し、断続的に激しい雨を降らせています。
5時50分までの1時間の雨量は宮城県泉ヶ岳で36.0mmを観測しました。
沿岸部は風も強まっており、最大瞬間風速は宮城県女川で19.9m/s、岩手県大船渡で17.4m/sを観測しています。
台風8号は今後も北西に進み、午後には日本海に達する見込みです。
東北の太平洋側では昼前にかけて、台風がこれから近づく日本海側では昼過ぎにかけて断続的に強い雨や風に見舞われるおそれがあります。特にこれまでの雨量が多くなっている太平洋側では、土砂災害や河川の増水に警戒が必要です。
局地的には150mm前後の大雨のおそれ
台風の中心から少し離れた所に活発な雨雲の帯が形成されています。東北地方では台風の接近前から雨が降っていて、福島県内では24時間雨量が100mmを超えているところがあります。
台風の接近に伴い、非常に湿った空気が東から吹き込むため、特に山の東側斜面では雨雲が発達しやすく、宮城県や岩手県などでは総雨量が150mm前後に達するおそれがあります。
これらの地域は西日本などの多雨地域と比べると、川の許容流量や地盤の強化状況などが違うため、相対的には少ない雨量でも、洪水や浸水、土砂災害などの被害が発生するおそれがあります。
増水した川や水路等に近づくと危険ですので、様子を見に行ったりしないでください。また、冠水した道路等では側溝などとの境目がわかりづらくなり、車や人が転落して流されるおそれがありますので、荒天の最中はむやみな外出はおやめください。
風も強まり、交通機関に影響も
台風8号は顕著な発達をしておらず、大規模な停電などの被害が発生する可能性は低いとみられますが、倒木などによる局地的な停電が発生するおそれがあります。
また、東北地方ではJRがすでに一部の運転取りやめを発表するなど、交通機関に影響が出ています。移動の予定がある方は、最新情報をホームページなどで確認して、予定の変更を検討することもおすすめします。
強い風が吹いている間は、飛来物などに十分注意してください。
珍しい進路の台風 統計史上初の宮城県上陸
台風8号は統計記録が残る1951年以降では初めて宮城県に上陸した台風となりました。
台風といえば日本付近では西から東に進むことが多いイメージですが、台風8号は東日本に東側から接近してきました。北上を阻む太平洋高気圧の存在と、寒気のかたまり「寒冷渦」による風の流れが影響しています。
本州付近に東から接近してくる台風は多くなく、近年では、岩手県に統計史上初めて上陸した2016年の台風10号や、三重県に上陸して西日本を東から西に縦断した2018年の台風12号などがあります。
台風が宮城県に上陸したのは、1951年の統計開始以降で初めてです。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風8号の名前「ニパルタック(Nepartak)」はミクロネシアが提案した名称で、有名な戦士の名前からとられています。
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