アメリカ通商代表部(USTR)は現地時間7月13日、中国・新疆ウイグル自治区にサプライチェーンなどを持つ企業などを対象とした最新の勧告を発表した。この中で、同自治区からサプライチェーンや投資などを撤退させない企業や個人は、アメリカの国内法に違反する「高いリスク」があると指摘した。
勧告では、新疆ウイグル自治区やその他の地域で、ウイグル族やカザフ族らイスラム教系少数民族に「恐ろしい虐待」が行われていると指摘。政府主導の広範な強制労働や人口抑制策、それに大量拘束などがされているとし、新疆ウイグル自治区に関連するサプライチェーンや投資家などは、撤退しない限りアメリカの国内法に違反する高いリスクがあると明記した。
具体的なリスクとして、強制労働者が生産に関わっている製品の輸入排除を定めた法律に違反する可能性などを挙げた。
また、「間接的」に関わっている場合も含まれるとし、法的なものに加え「風評面のリスク」に直面する可能性にも言及した。
この勧告に法的な拘束力はない。
アメリカの商務省は7月9日、新疆ウイグル自治区での大量拘束やハイテク監視に関わったとして、中国企業14社を新たに貿易制裁リストに加えている。中国側はウイグル問題について、「でっち上げだ」などと人権侵害の存在そのものを否定している。