6月24日にアメリカ南部のフロリダ州で起きた12階建マンションの崩落事故。
7月9日までに、死者79人、安否不明者61人と発表されており、崩落の原因は特定されていないが、2018年の報告書では構造上の欠陥が指摘されていたという。
そんな中、行方不明になったペットもいた。マンションの9階に住んでいた「ビンクス」という名前の黒ネコはマンションが崩壊した日の夜から行方不明になっていた。
地元テレビ局WSVN 7Newsによると、崩壊したマンションの瓦礫の上を彷徨っていた黒ネコをボランティアの人が発見し、マイアミビーチの近くにある動物保護センターに連れていったという。その後、その黒ネコがビンクスだと確認された。事故から、およそ2週間が経った時のことだった。
センターの共同創設者のジーナ・ニコル・ブラセックさんは、Facebookにビンクスの写真と動画を投稿し、「この悲劇に差し込んだ希望の光でした。今日は最も素晴らしい日です」とつづった。 動画では、ビンクスがゲージの中を歩き回る姿などが映されている。
マイアミ・デイド郡の郡長は、ビンクスが見つかったことについて、「この小さな奇跡が、悲しみに暮れる家族の生活に光をもたらし、この恐ろしい悲劇の真っ只中にある私たちのコミュニティに明るい話題を提供できることをうれしく思います」とコメント。今後も行方不明になったペットを見つけるため、現場にエサを設置するなどの対応をとるという。
地元メディアによると、ビンクスの飼い主のゴンザレスさん一家は、母と娘1人が瓦礫から最初に救出され、もう1人の娘は崩壊の時は家にはいなかった。また、父は現在も安否が不明だという。一家はクラウドファンディングサイトGoFundMeで、寄付を募っている。
一家の友人である女性は、「ペットは家族であり、これは奇跡です。私の心は今震えています」と喜びを露わにし、「この悲しみの真っ只中、私たちは生存者や生き残ったペット、どちらにも幸運なニュースを期待してきました」とコメントしている。