テニスの大坂なおみ選手は、アメリカの雑誌「TIME」にエッセーを寄稿した。メンタルヘルスを優先する意向を公表した後、「私の旅は予想外の道を歩みました」と振り返り、「重要な教訓」を学んだと語った。
『大丈夫じゃなくても、大丈夫』と題するエッセーの冒頭で、大坂選手は「教訓1:すべての人を満足させることはできない」とつづった。
「私の23年という短い人生の中で、世界はこれまでに経験したことのないほど分断しています。パンデミックのときにマスクをする、反人種差別を支持するためにひざまずくなど、私にとって額面通り明らかな問題が、猛烈な勢いで反対にあっています」
「なので、精神的なケアのために全仏オープンの記者会見を欠席する必要があると言ったとき、私は次の展開に備えておくべきだったのです」
「記者会見の形式は時代遅れ」
大坂選手は5月、メンタルヘルスを守るため、全仏オープンでの記者会見をしないと発表した。その後、同大会を棄権し、その数週間後にはウィンブルドン選手権の欠場も決めた。
大坂選手は、5月下旬にインスタグラムに投稿した声明の中で、自身のメンタルヘルスについて言及。2018年の全米オープン以降、「長い間、うつ病を抱えてきました。それに対処するのはとても大変でした」と明かした。
多くの著名人が、大坂選手の行動を称賛し、セルフケアの重要性を訴えた。
大坂選手は、精神的な悩みを打ち明ける人たちから多くのメッセージが寄せられたと、エッセーで述べている。
「文字通り誰もが、メンタルヘルスに関わる問題に苦しんでいるか、またはそのような人を知っている、ということがはっきりと分かりました」
大坂選手は、自らが「メディアとの素晴らしい関係」を楽しんできたと前置きした上で、記者会見の「伝統的な形式」が改善されることを望んでいると強調した。
「私の意見では(すべてのテニスプレーヤーの意見ではありません)、記者会見の形式自体は時代遅れであり、更新が非常に必要です。私たちそれぞれの側にとって、より良く、面白く、楽しくすることができると信じています」
試合後の記者会見が、選手のメンタルヘルスに与える影響を訴える大坂選手。
「おそらく、厳しい制裁を受けることなく、時折メディアの監視から精神的な休息をとる権利をアスリートに与えるべきなのです」との見方を示した。
東京五輪「これ以上の興奮ない」
大坂選手は、23日に開幕する東京オリンピックへの参加を表明している。
エッセーでは大会でのプレーを「これ以上の興奮はありません」とつづった。
「オリンピック自体が特別なものですが、日本のファンの皆さんの前でプレーする機会を得られたことは夢のようです。日本のファンに誇りに思っていただけるようなプレーをしたいと思っています」
(この記事は、ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました)