DCコミック原作の人気ヒーロー映画『アクアマン』。
海の生物を従えて戦う王子アーサーを演じたジェイソン・モモアは、1979年8月1日ハワイ生まれの現在41歳。
190センチを超える高い身長と鍛えた身体、そして満面の笑顔で人々を惹きつけるモモアは、かなりの頻度で「ピンクの服」を着てカメラの前に現れます。プライベートも、メディア出演時も、そしてレッドカーペットでも。
どんなこだわりを持って、モモアはピンクを着ているのでしょうか?
ジェイソン・モモアのピンクスタイル
よく見てみると、多くの写真でモモアの右手首にピンク色の「シュシュ」がついていることに気づいたでしょうか? ロングヘアのモモアは、外出先で髪を結うために、シュシュをよく持ち歩いているようなのです。
『アクアマン』の宣伝でオーストラリアを訪れた時には、シュシュでツインテールをした姿で、TV番組に出演しました。
ピンクを着て、「誰になんて言われようと気にしない」
「女性性を象徴する色」とされてきたピンクですが、近年では特定のジェンダーに限らずにピンクを着用する人は増え、ジェンダーバイアスにNOを示すセレブリティたちも多く見られます。
モモアがピンクスーツで登場した2019年のアカデミー賞では、ピンクがトレンドカラーになり、ジェンマ・チャンやジュリア・ロバーツ、近藤麻理恵なども着用。また、パンツルックの女性やタキシードドレス姿の男性も登場しました。
過去の写真を見る限り、モモアが公の場に頻繁にピンクのファッションで現れるようになったのは、この3〜4年の間だと思われます。その前までは、レッドカーペットやプレミアなどでは落ち着いたダークな色合いを着ることが多かったようです。
2020年11月、アメリカの有名ファッション誌InStyleのインタビューで、「なぜピンクばかり着るのか」と問われたモモアはこう答えました。
「単純に、ピンクは美しい色だからだよ。それで自分の男性らしさが揺らぐことはないし、誰になんて言われようとも、まったく気にしていないんだ」
インタビューでは、セラピーに通い始め「男性の脆弱性」について考えていると明かしています。
「私は戦士なんだ。それは断固として言うよ。でも、『自分は多くの問題を抱えていて、それを解決できるようにしたいと思っている』と隠すことなく言うこともできるんだ」
「私たちは、女性らしさと男性らしさをあわせ持っている。どちらも受け入れるべきなんだ」
12歳(インタビュー当時)の息子がいるモモアは、「自分がお父さんになるためにどうすればいいのかわからなかった」といい、「頭ごなしに言うことはしたくない。心でつながりたい。息子には、脆さを見せ、そしてオープンであってほしい」とも語りました。
この数年、「男性は泣いてはいけない」「弱さやを見せてはいけない」などと、ジェンダー規範を男性に押し付け、それに背く人を排斥しようとする「トキシック・マスキュリニティ(有害な男らしさ)」が広く問題視されるようになっています。
そうした中で、屈強なスーパーヒーローを演じながらも、同時に自身の内面に向き合い、問題を解決しようとする姿勢を見せるモモアのインタビューには多くの好意的な反響が寄せられました。
ジェイソン・モモアという新たなスターを生み出し、大ヒットした『アクアマン』は続編の撮影がスタート。2022年に全米公開を予定しています。