東京都足立区は、6月25日告示・7月4日投開票の都議選から、投票所で有権者の本人確認をする際、氏名を読み上げる運用をやめると発表した。「性的マイノリティーの方を含め、プライバシーに一層配慮するため」としている。
足立区選挙管理委員会によると、3月の区議会で性的少数者の人権政策について議論があった際、「投票所で名前を呼ばれるのが嫌だから、投票には行きたくない」という声がある、と区議から指摘があった。このことを受けて、氏名を読み上げる以外の方法を検討していたという。6月26日から始まる期日前投票から運用を始める。
これまでは投票所の受付で有権者の入場整理券の氏名を読み上げて本人確認をしていた。今後は、職員が入場券の氏名を指で示して「こちらに記載のご本人様ですか」などと確認する。
区選管によると、本人確認の方法は自治体によって異なり、東京23区内では杉並、豊島、練馬、江戸川の各区も氏名の読み上げを行っていないという。
石鍋敏夫・事務局長は「性的少数者の方だけでなく、プライバシーを気にする方は多いと思う。そういった方にとって投票に行きやすい環境にしたい」と話した。