東京オリパラ組織委員会は6月21日、IOCや東京都らと五者協議を開き、オリンピックを観客を入れて開催する方向で合意した。
発表された共同ステートメントで、オリンピックの観客上限について、全ての会場で「収容定員の50%以内で1万人」とすると明記した。
学校連携の児童生徒・引率者については、この上限とは別の取り扱いをするという。
競技の実施時間については、現行のスケジュールを維持。その場合は、深夜帯も観客が入る見通し。
一方で、7月12日以降に、緊急事態宣言かまん延防止等重点措置が発動された場合は、「無観客も含め当該措置が発動されたときの措置内容を踏まえた対応を基本とする」と明記した。
6月18日には、政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長ら専門家が「無観客開催は、会場内の感染拡大リスクが最も低いので、望ましいと考える」という提言を発表。
「観客の収容方法等によって、テレビ等で観戦する全国の人々にとって、『感染対策を緩めても良い』という矛盾したメッセージになるリスクが発生する」と危機感を示していた。
組織委の橋本聖子会長は21日の記者会見で、専門家の提言を採用しなかった理由を問われた。
橋本会長は「無観客が望ましいという意見をもらったが、観客を入れた想定の提言ももらった」と説明。「国内外のスポーツイベントは実際に有観客で行われ、しっかりとしたエビデンスが示されている。現段階では政府のイベント開催基準に乗っ取った形で開催が可能だと判断しました」と述べた。
その上で「人流はできる限りの対策を打ちたいと思っている。(感染状況が)大変困難な状況になっていく場合は、無観客という対応をしないといけない」と語った。