佐久市が募集を始めたのは、IターンやUターンの移住希望者への情報発信をてこ入れしようと始めたSlack上のオンラインサロン「リモート市役所」の「課長」職だ。
2021年1月に始まった「リモート市役所」には、これまでに市民や移住希望者ら約930人が登録。地域の魅力や子育ての話題、住宅情報などを交換してきた。
「課長」は月に1度の運営会議で「リモート市役所」やTwitterの公式アカウントを盛り上げる方策を話し合ったり、利用者の投稿に返信したりして、市のPRや情報発信を担う。ただ、一般的な管理職のような権限はなく、「オンラインサロンのリーダー役」のようなイメージという。
業務は原則オンラインで、副業も歓迎する。任期は8月から2022年3月末までの約8カ月で、謝礼は月額5万円を予定する。市は名刺も支給する。
内閣府の調査によると、新型コロナの影響で、東京23区など大都市圏に住む働き盛りの年代で地方移住への関心が高まっている。
東京から新幹線で1時間余りで行くことができ、真夏でも25度以上の熱帯夜がない冷涼な気候などを売りに、2020年には転入が転出を180人上回った佐久市だが、高齢化が進んで2010年をピークに人口は減り続けている。
柳田清二市長は6月10日、ハフポストの取材に「人材を外部に広く求めることで、新しい働き方や暮らし方の発想を注入してもらいたい。揺るがない思いを持ちつつ、柔軟な議論ができる人に就任してほしい」と話した。
応募締め切りは6月30日。応募フォームでは、「課長」への意気込みを宣誓文に書いて提出する。面接を経て7月下旬に採用が決まる。