6月11日から始まるアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2021」では、6000本以上の中から選ばれた約250作品が、オンラインでも無料で視聴できます。
出品作品は時代を反映し、SDGsをテーマにしたものが年々増えているそうです。子供から大人まで、20分以内で楽しく学べる、いま観るべき短編映画6本を紹介します。
【CGアニメーションプログラム部門】
(オランダ、監督:アーニャン・ブレンチェス、CGアニメ:9分50秒)
大気汚染が進んだ世界で、絶滅していく動物や昆虫に心を痛める女性。細菌による感染症で病に倒れた彼女に、自然界が幻覚となってメッセージを伝える。
②「渡り熊 Migrants」
(フランス、監督:ヒューゴ・キャビー、アントワーヌ・ドゥプリエ、オヴァン・クビアク、ルーカス・レルミット&ゾーイ・ドゥビーズ 、CGアニメ:8分17秒)
地球温暖化で故郷を追われた北極熊の親子。新たな住まいを探す中、ヒグマの縄張りに辿り着いた親子は彼らとの共存を試みる。編みぐるみの愛らしい熊のキャラクターとは対照的に、衝撃的な結末を迎える。
③「皿の種 Mixi」
(インド、監督:ジョツナ・プスラン、CGアニメ:6分21秒)
実際の穀物を使って全編制作された実験的な作品。私たちが普段、楽しんでいる食事の背後には、過酷な労働を強いられている子ども達や人身売買といった暗い現実がある。主人公はある晩、苦役から脱走を試みるが・・・。
【Ladies for Cinema Project 部門】
(日本、監督:大富いずみ、ドラマ:14分59秒)
映画監督を志す助監督の蒼は、プロデューサー・鳥海に長編映画の脚本を持ち込む。念願の打ち合わせに臨む蒼だが、意気込んでいた方向には話は進んでいかない。
(インド、監督:ヴリンダ・サマルサ、ドキュメンタリー:15分50秒)
リトゥは女性の社会進出が遅れるインド・ヒマラヤ地区のナジャフガーに暮らす。困難を乗り越え、ハンドバッグのネット販売ビジネスを始めた彼女は、その経験を伝えるために母校を訪問する。
(イスラエル、監督:ロミ・メナへム、ドラマ:19分59秒)
いつも男子とばかり遊んでいる12歳の少女バー。クラス対抗のサッカー試合で活躍するが、リーダーの男子に妬まれ、ポジションを外されそうになる。バーは必死に他のメンバーにアピールするが、自分がより根深い問題に直面していることに気がつく。
①~③は11日からオンラインで無料公開。④~⑥は無料公開中。現地会場での鑑賞は、ネットで予約が必要となる。
映画祭は6月21日まで。初日の11日は、東京都渋谷区の渋谷公会堂でオープニングセレモニーが行われる。
15日にはオンラインイベント「Discover Beauty シンポジウム」が生配信される。日本の「美」に着目しつつ、映画シーンで活躍する、エミー賞受賞アートディレクター鈴木智香子さん、ドキュメンタリー映像監督山崎エマさん、映画コメンテーターのLiLiCoさんをゲストに、日米映画業界における女性制作関係者の参画情勢について語る。