グローバルなパンデミックのおかげで、新しい人に会うことにも困難がつきまとうが、しかしそれでも、デートアプリはダウンロード数と使用の両方がこのところ増えている。ワクチンを誰もが接種できるようになった今では、この傾向がさらに続くだろう。
たとえばTinderは「パンデミックの縛りがなくなったシーズン」に備えて、新しい機能を用意している。その「Block Contacts(連絡先をブロックする)」機能を使うと、元カレ / 元カノや職場の同僚、家族など、このアプリの上で会いたくない人の電話を登録できる。Tinderが委嘱した調査によると、ユーザーの40%が「元XX」をこのアプリの上で見つけたことがあり、24%が家族と、そして10%が自分の教授と遭遇したこともある。
たしかに、デートのマーケットで元XXに会うのは相当きまり悪いだろうが、今度の新しい機能はユーザーの安全性という点でも興味深い。例えばこのアプリの上でもそうでなくても、以前ストーカーや虐待などに遭った人は、Tinderの上で彼らを直接ブロックできる。
ただし相手の電話番号やメールアドレスをユーザーが個々に入力するのではなくて、自分の連絡先リスト全体へのアクセス許可をTinderに与える。一応建前上はこれは使いやすさのためだが、Tinderはユーザーがブロックを指定した連絡先情報しか手元に置かない、アドレス帳全体に触ることはない、と主張している。しかし、それでも心配な人はいるだろう。何年も前からソーシャルアプリはユーザーのアドレス帳のアップロードを、ユーザーからの大きなデータの取得と見なし、それなのにユーザーの利益といえば友だちを見つけるぐらいだ。最近ではPoparazziやClubhouseなどのアプリで、その傾向が再燃してきた。ただしうれしいことに後者Clubhouseは、ユーザーの抗議に遭って5月に止めた。
TinderのプロダクトマネージャーBernadette Morgan(バーナデット・モーガン)氏は、声明で「このBlock Contacts機能は、会員のみなさんに安心感をお持ちいただき、みなさまが安心して新しい結びつきをお作りいただけるような、不安のないスペースを作るために新たに設けました」と述べている。
TinderはこのBlock Contacts機能をインドと韓国と日本でテストし、この機能を利用したユーザーは1人あたり平均10数名をブロックした、と報告している。
この機能を使うためには、プロフィールのアイコンの下にあるSettings(設定)から「Block Contacts」(連絡先をブロックする)をセレクトし、アプリにパーミッションを与える。個人をブロックするとき、その人が自分のスマホの上でブロックされている/いないは関係ない。ブロックしたい各人を「Block」(連絡先)タブでセレクトし「Block Contacts」(連絡先をブロック)をタップする必要がある。
このユーザーインタフェイスは虐待や元XXを容易にブロックできるだけでなく、家族や友だちグループなど、大量の人を一度にブロックすることもできる。そこでこの機能は、Tinderアプリを使って不正行為をやってる人にとっても便利かもしれない。
Tinderは本物の電話番号で登録することを厳しく要求するが、そのシステムを迂回してたとえばGoogle Voiceの番号で登録することも不可能ではない。だからTinderがどんな安全機能を提供しても、用心と警戒を忘れてはいけない。
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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)
(2021年6月5日TechCrunch Japan「デートアプリTinderに会いたくない人をブロックする機能が登場」より転載)
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