中国国家航天局(CSNA)は1週間前、中国として初めて火星への探査機着陸を成功させたと発表しました(探査機を着陸させた国としては3か国目)。そしてこの金曜日には着陸機に搭載していた探査ローバー「祝融」を赤い大地に解き放ったと発表しています。中国国営メディアのTwitterアカウントは、レールをつたって火星で最も広大な盆地のユートピア平原へ降りる様子を連続写真で公開しました。
火星への探査機着陸はNASAがこれまでに複数回成功させ、探査ローバーも現在最新のPerseverance、2012年に着陸したCuriosityが順調に探査活動を行っています。1970年代にはソビエト連邦も成功させているものの、このときは着陸後まもなく地球管制との通信が途切れてしまい、それ以後の探査はできずに終わっっています。
祝融には6つの科学測定機器が搭載されており、3か月を予定するミッションで生命の痕跡を探します。火星軌道への探査機投入、着陸、探査ローバーの展開をたて続けに成功させ、中国は宇宙開発において米国との差を急速に詰めてきています。ただ、その一方で先日は宇宙ステーション用資材を軌道へと打ち上げた長征5Bロケットを無制御状態で放棄し、巨大な機体の一部がインド洋に落下するという問題も起こしています。
Source:CNSA
(この記事は、2021年5月23日Engadget Japan「中国、火星探査ローバー『祝融』を始動。3か月のミッションを開始」より転載しました。)
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