性犯罪に関する刑法改正を話し合う法務省の検討会が5月21日に開かれ、約1年間におよぶ議論を踏まえた報告書がまとまった。報告書は同日、上川陽子法相に提出された。
上川法相が必要と判断した場合、法相の諮問機関である法制審議会で、報告書の内容を踏まえた上で刑法改正に向けて審議される見通し。
改正の取り組み「迅速に」
報告書では、「性犯罪の処罰規定の本質は、被害者が同意していないにもかかわらず性的行為を行うことにあるとの結論に異論はなかった」と明記。
その上で、同意のない性的行為を処罰する具体的な規定に関し、検討会の委員の間で意見が分かれた点も含めて盛り込んだ。
検討会では2020年6月以降、「暴行・脅迫」要件の見直し、地位・関係性を利用した性犯罪の新設、性交同意年齢の引き上げ、公訴時効の延長などの論点をめぐって議論を重ねてきた。
報告書は末尾に、法務省に対して「この検討結果を踏まえ、ここに課題として示されていない点も含めて更なる検討を行い、性犯罪に対してより適切に対処するための刑事法の改正に向けた取組を迅速に進めることを求めたい」と提言した。
さらに、改正に向けた検討の際には、「性犯罪がその被害者に対し深甚な苦痛を与えることに思いを致し、処罰されるべき行為が漏れなく捕捉されるとともに、しかし処罰されるべきでない行為が処罰範囲に取り込まれることとならないよう留意」することを求めた。
【刑法改正の報告書に関する詳しい記事はこちら⬇️】