中国の規制当局は、Alibaba(アリババ)が同国最大のインターネット複合企業の支配権を握ろうとしている中、独占禁止法に違反したとして、180億元(約3010億円)という記録的な罰金を科した。
2020年11月、中国はそのインターネット経済を対象とする包括的な独占禁止規制を提案した。12月下旬、国家市場監督管理総局(State Administration for Market Regulation、SAMR)は、当局がAlibabaの金融関連会社であるAnt Groupの新規株式公開を中止した数週間後に、Alibabaに対する反トラスト調査を開始したと発表した。
中国における最上位の市場規制機関であるSAMRは現地時間4月10日に、Alibabaは2015年以来中国の商業者に、PinduoduoやJD.comなど複数のサービスから自由に選ぶのではなく、1つのeコマースプラットフォーム上でのみ販売すよう強制してその「市場支配力を乱用した」と発表した。ベンダーたちは、Alibabaの巨大なユーザーベースを利用するためにはAlibabaの側につくよう、圧力を受けることが多かった。
2020年の終わりごろより、TencentやAlibabaなどの大手インターネット企業は、過去の買収承認を得なかったなどの理由で、反競争的な行いに対するさまざまな罰金を科せられた。それらの罰金の総額は、テクノロジー企業が彼らの市場集中から得る利益に比べると微々たる額だ。その帝国の分割を命じられた企業は1社もなく、ユーザーは依然として、お互いに他社をブロックするスーパーアプリ間を渡り歩かなければならなかった。
しかし最近の数週間で、中国の独占禁止当局がより深刻になっている兆候がある。Alibabaに対する最新の制裁金の額は、同社の2019年の売上の4%に相当する。
「本日、中国の国家市場監督管理総局から行政処分決定が出されました」とAlibabaは声明で述べた。「私たちは誠意をもってこの刑罰を受け入れ、私たちの決意を確実に遵守します。社会に対する責任を果たすために、法に則り誠実に行動し、コンプライアンス体制を強化し、イノベーションによる成長を目指します」。
テクノロジー企業が互いの間に築いてきた厚い壁も崩れ始めた。Alibabaの幹部Wang Hai(ワン・ハイ)氏が最近認めたところによると、AlibabaはWeChatのミニプログラムプラットフォーム上で同社のショッピング情報アプリを実行するための申請書を提出した。
何年もの間、AlibabaのサービスはTencentの広大なライトアプリのエコシステムに存在しておらず、現在では何百万ものサードパーティーのサービスが存在している。逆に、WeChatは決済手段としてAlibabaのオンライン市場には存在しない。もし承認されれば、WeChatを搭載したAlibabaのミニアプリは、両社の長い対立の前例を破ることになる。
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