クマが「フレンドリーな犬」のような振る舞い。原因不明の謎の脳炎で

人間に友好的な態度を示すだけでなく、震えや発作など深刻な症状も確認されている。
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脳炎の症状が見られるクマ
CDFW

クマが、原因不明の病によって、友好的な行動をして人間を恐れなくなっているケースがアメリカで相次いで報告されている。

カリフォルニア州魚類野生生物局(CDFW)のニュースリリースによると、研究者たちは、1歳前後の若いクマに様々な症状をもたらしている病気は、脳炎の一種だと指摘している。

CDFWの生物学者らがクマの発見場所へ調査に向かったところ、その行動は「犬のよう」に見えた。民家の住民たちの前でリンゴを拾って食べ、完全に快適そうに過ごしていた。通常のクマのような反応を示さなかったと報告している。

2014年以降、ネバダ州とカリフォルニア州の複数のクマが同様の兆候を示していた。2020年には、カリフォルニア州の4頭のクマで脳炎の症状が確認された。

クマに関する啓発活動などに取り組む団体「BEAR League」のアン・ブライアントさんは、「私が個人的に救助した最初のクマは、2018年3月に脳炎と診断されました。クマは学校の教室に入り、そこで子どもたちの間に座って、とてもフレンドリーな犬のような振る舞いをしました」とライブサイエンスに語った。

脳炎は、震えや頭の傾き、発作などクマに深刻な影響を及ぼす。さらに、深刻な低体重になる傾向がある。あるメスのクマは、同じ年齢のクマでは通常約80ポンド(約35キロ)ある体重が、21ポンド(約10キロ)しかなかった。このクマはその後、安楽死させられた。

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CTスキャンを受けるクマ
CDFW

原因は不明、新たなウイルス特定も

何が脳炎を引き起こしているのかはまだ解明されていない。しかし、症状のあるクマを研究する過程で、科学者たちはこれまで知られていなかった5つのウイルスを特定した。

カリフォルニア大学デービス校の獣医ジェイミー・シャーマン氏は、これらのウイルスが人間にリスクをもたらすとは考えられていない、と地元新聞のサクラメント・ビーに述べている。

脳炎の症状がある2頭のクマは最近、新たな“家”を見つけることができた。エリノアと名付けられた1頭は、カリフォルニア州のオレンジカウンティ動物園に移された。

ベンジーと呼ばれるもう1頭は、サンディエゴヒューマネソサエティ内のセンターで暮らしている。3月、ベンジーはフルーツとマッシュポテトでつくられたケーキで3歳の誕生日を祝った。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。)