アカデミーから1年。『パラサイト』を気候危機やSDGsの視点で見返すと… 【映画を語る夜会】

4月13日(火)21時〜22時、ZOOMにて開催。記事下のリンクから、ぜひご応募ください。【締切:4月12日(月)正午】※募集を締め切りました
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『パラサイト 半地下の家族』ティザービジュアル
©︎2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

4月25日(日本時間で26日)、アメリカの「アカデミー賞(第93回)」が発表される。 

今年は、中国出身のクロエ・ジャオ監督がメガホンをとった『ノマドランド』が、アジア系女性初の監督賞候補、及び作品賞候補として注目が集まっている。アメリカを舞台にした韓国系移民の苦悩と挑戦を描いた『ミナリ』も、作品賞をはじめ6部門ノミネートされるなど、アジア系の躍進が話題だ。 

そんな中、今、改めて見直したい作品がある。  

2020年のアカデミー賞で、英語以外の映画として初めて作品賞を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』だ。貧困や格差などの社会課題を描き出した本作。受賞から1年経って見返してみると、当時と同じ興奮とともに、当時は持たなかった新たな印象も浮かび上がってくる。 

ハフポスト日本版では4月13日(火)夜9時から、Zoomで「パラサイトについて語りあう夜会」を開く。 

貧困や格差の問題をスリリングに描いた本作を、あえて今、見直し、感想を語り合いたい。キーワードとしたいのは、「新型コロナ」と「SDGs」だ。 

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半地下で暮らすキム一家
©︎2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

 

物語で描かれた「水害」。災害や有事で、誰が最初に苦しむのか?

思い返せば、「パラサイト」がオスカーに輝いた2020年のアカデミー授賞式当時は、新型コロナウィルスの感染が拡大し始めた頃だった。当時は、「秋頃までには終息するだろう」と楽観的な見方もあった。 

しかし、実際には、新型コロナは終息するどころか拡大し、世界の都市がロックダウン。貧困や経済格差、人種差別、ジェンダー不平等など、多くの課題が強く表面化した。 

新型コロナが起きてからの「実質的な失業者」は、男性が43万人なのに比べて女性は103万人の試算。危機的な状況になると、女性や子ども、障がい者、貧困層などの“弱者”にしわ寄せがいくことが浮き彫りとなった。

それらはまさに、『パラサイト』が社会課題として描いていた「社会のゆがみ」なのではないか。 

劇中で大雨が降った時、家が水没し、避難所に泊まらざるを得なくなったのは貧しい側の家族で、そうとは知らずに「大雨が降ったおかげで空気がきれいになってよかった」と無邪気に発言したのは、富める側の家族だった。 

災害や有事の時、誰が最初に苦しむのか?『パラサイト』は、新型コロナによる世界の分断を予見していたかのような映画だったとも言える。 

 

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半地下で暮らすキム一家
©︎2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

 

SDGs視点で「パラサイト」をみる

そこで今回、 『パラサイト』をSDGsの視点で改めて見直したい。

貧困、気候危機、ジェンダー不平等…。あらゆる社会課題の解決を目指す「SDGs」。その旗振り役である国連は、各国に対して、新型コロナからの“Build Back Better”(よりよい復興)を求めている。

コロナ前と同じ生活や企業活動に戻るだけはなく、復興と同時に社会課題を解決をしようと呼びかけるものだ。

飛躍しているようにも聞こえるかもしれないが、いま『パラサイト』を見直すことで、SDGsの達成やBuild Back Betterの実践にヒントがあるのではないか。

ところで、「映画とSDGs」という観点で紹介したいもう一つの作品がある。

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新海誠監督
Aya Ikuta/Huffpost Japan

新海誠監督の『天気の子』だ。若者の恋愛を描き、気象にまつわる美しい描写が話題になった同作について、新海監督は、日本と他国での受け止め方の違いを以下のように語っている

「日本は環境的な意識は残念ながら大変に低いという印象を受けています」

映画の感想として、気候危機に触れる人が日本では非常に少なかったというのだ。

多くの国の人が「気候危機」を想起したのに、日本ではそうした感想が少なかったとしたら、それは憂うべきことだろうか?それとも…?

今回、『パラサイト』を題材として、そうした映画の持つ意味や役割、楽しみ方などについても話し合ってみたい。

 

「パラサイトについて語る会」開催概要

※ 4/12(月)12:00 募集を締め切りました。ご応募頂いたみなさま、ありがとうございました。

【日時】

2021年4月13日(火)21時〜22時 ZOOMで実施(無料)

※イベント中に鑑賞は行いません。事前に見てからご参加ください。

【話し合うテーマ(案)】 

・大雨が降り、洪水が起きる印象的なシーン。どんなことが描かれていた? 

・対照的な家族として描かれていた、貧しい家庭と裕福な家庭。どんな違いが描かれている? 

・映画の役割って何だろう?皆さんはどんな楽しみ方をしてる?

※ただし自由に気楽に感想を語り合う場なので、アジェンダはこれに限りません。準備しすぎず気楽にご参加ください。 

【タイムテーブル】

21:00〜21:15 概要、趣旨説明 

21:15〜21:45 複数のグループに分かれて語り合う 

21:45〜22:00 それぞれのグループで出た意見を発表

※多少変更になる可能性もございます。

【応募方法】

以下のフォームからご応募ください。 

【締切】

2021年4月12日(月)正午 

※応募多数の場合は抽選といたします。 

ハフポスト日本版がお届けするネット配信番組「ハフライブ」。4月22日(木)のテーマは、アカデミー賞とSDGsです。2022年から人種やジェンダー、障がいなど“多様性“を作品の選考基準に導入すると発表したアカデミー賞。その変化を入り口に、SDGs時代の映画のあり方を考えます。


<番組URL(無料)>

Twitter:https://twitter.com/i/broadcasts/1dRKZNgpYBQKB

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=Pn_j-eRk5uA

※番組詳細は追って告知いたします。