アメリカ大学バスケトーナメントの女子と男子の大会・会場とで、ウェイトトレーニングルーム設備に大きな格差があり、運営する全米大学体育協会(NCAA)が謝罪した。
選手やコーチがSNS上で問題提起し、 NCAAは批判を受けて、女子チームに新たなウェイトルームを用意した。
問題があったのは、男子と女子のトーナメントが開かれていたインディアナ州インディアナポリスとテキサス州サンアントニオの会場。
オレゴン大学のセドナ・プリンス選手や、スタンフォード大のコーチが問題提起した。
NCAA側が3月19日に「スペースが限られていたため」と釈明する声明を出した後、2人は、男女のウェイトルームを比較する動画や写真をSNSに投稿した。
プリンス選手が「これが私たちのウェイトルームです」と示した場所には、トレーニング器具がたった一つだけ置かれ、その周囲は広いスペースがあり余っている。
一方、男子チーム用は、広々としたスペースに、何種類もの器具が列をなして配置されている。
ガーディアンによると、NCAAは参加校に対して当初、上位16チームが残る2回戦までは、トレーニングルームの用意はないと説明していたという。
3月19日の投稿で、「トーナメントが進んでスペースが確保され次第、ルームを広げるというのが当初のプランでした」と釈明。「追加のウェイトルームの確保を含めて、既存の設備の充実に積極的に取り組んでいます」と呼びかけていた。
プリンス選手やカーシュナーコーチの問題提起や批判を受けて、NCAAのダン・ガビット副会長が謝罪。メディアの取材に対して「女子学生バスケの選手やコーチをはじめ、女子バスケ協会の皆様に対して、ウェイトルームの件を謝罪します。早急に対処します」と述べた。
その後も、女子バスケ協会や男子プロ選手らから、驚きや失望、批判の声が相次いで寄せられた。
女子バスケットボールコーチ協会は20日、「大会実現のため詳細が見落とされた。その結果、女子と男子の大会会場の条件設備に不平等が生じてしまった。とても失望し、許容できない」と批判した。
女性スポーツ財団も、NCAAに対して「このような目に見える格差を許した重い決定や組織の優先事項に対する検証を求める」とツイート。
ステフィン・カリー、カイリー・アービング両選手ら、男子プロバスケNBAのトップ選手からも、驚きや批判の声が寄せられた。
一連の問題を受けて、NCAAは3月21日、新たに用意したウェイトルームの写真を公開した。
プリンス選手もtikitokで「新しいウェイトルームだ」と興奮気味に報告。NCAAに対して「私たちの声を聞いてくれてありがとう、感謝します」と語った。