東京都が時短命令、グローバルダイニングが営業時間を変更。これまでの経緯は?【UPDATE】

グローバルダイニングはこれまで要請に反発。公式サイトに考え方を明示し、夜の営業も続けていた。
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長谷川耕造代表取締役がFacebookで公開した画像
長谷川耕造代表取締役のFacebookより

東京都は3月18日、営業時間の短縮要請に応じていない飲食店のうち、正当な理由がないと判断した店に対して、改正された新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「命令」を出した。命令が出されるのは全国で初めて。

これまで時短要請に反発し夜8時以降も営業していたグローバルダイニングは命令を受けたことを明らかにし、時短営業すると発表した。経緯を振り返る。

 

応じない「正当な理由」があるかどうかは個別に判断

東京都はこれまで、飲食店などに対し営業時間を午後8時までに短縮するよう要請。2月に特措法が改正され、事業者が正当な理由なく要請に応じない場合、都道府県知事が命令できると定めた。命令に従わなければ30万円以下の過料を科すことができる。

時事ドットコムによると、都はこれまで、要請に応じない店に対し、緊急事態宣言下でのみ適用できる、より強い要請を出していた。

要請に応じない正当な理由があるかどうかは個別に判断される。政府が改正特措法の施行に合わせて都道府県知事に送った事務連絡では、要請に応じない「正当な理由」をこう例示している。

・地域の飲食店が休業等した場合、近隣に食料品店が立地していないなど他に代替手段もなく、地域の住民が生活を維持していくことが困難となる場合

・病院などエッセンシャルワーカーの勤務する場において、周辺にコンビニ店や食料品店などの代替手段がなく、併設の飲食店が休業等した場合、業務の継続が困難となる場合

一方、経営状況などは理由にならないとしていた。

東京都総務局によると、今回都が命令を出したのは18日に27店、19日に5店の計32店。

同局はハフポスト日本版の取材に対し、3月に入って18日までに129店に対しより強い要請を出したと説明。その中でも、時短要請に応じないことをホームページで明らかにするなど、要請に応じない店を誘発している店などを対象に弁明の機会を設けた上で命令を出したという。

 

「飲食店を狙い撃ち、不信しかない」

都として命令を出した店名は公表していないが、居酒屋「権八」「モンスーンカフェ」などを展開するグローバルダイニングは公式サイトで、都からの命令を受けたと公表した。

グローバルダイニングは2021年1月の緊急事態宣言後から一貫して平常通り午後8時以降も営業を続けており、サイトにも考え方を明示していた。

緊急事態宣言が出される前日の1月7日には、公式サイト上に「緊急事態宣言の発令に関して、グローバルダイニング代表・長谷川の考え方」を公開。「宣言が発令されても営業は平常通り行う予定」とし、理由として行政からのサポートの少なさ、雇用の維持などをあげた。さらに、医療崩壊に疑念があるともしており、これに対し、Twitter上で批判の声も出ていた。

その後グローバルダイニングは東京都に対し、時短営業の要請に応じない理由を説明する「弁明書」を提出し、3月12日にサイトでも公開。

弁明書では、2度の緊急事態宣言とその延長を「経済を心肺停止に近い状態にするのに等しい」と表現。「民間、特に飲食店を狙い撃ちにした経済的我慢を強いる緊急事態宣言と時間短縮要請については不信しかありません」と強く批判。命令が出された場合は従うとしつつも、直接の面談を求めていた。

しかし3月17日には公式サイトで「明日3月18日に東京都から”新型インフルエンザ等特別措置法第45条”に基づく営業時間短縮の”命令”が下される予定です」とし、夜7時以降の予約をキャンセルにする方針を明らかに。

翌18日には、東京都からの命令を受けたため21日までの緊急事態宣言中は都内店舗の営業時間を午後8時までにすると発表した。

長谷川耕造代表取締役は18日に更新したFacebookで、「弁明に対する回答はゼロのまま」と明かしている。


【UPDATE】2021年3月20日9:40 

東京都総務局への取材内容を加筆しました。