3月、かつて刑務所だったイギリス南部の施設の壁に突如出現し、覆面アーティストのバンクシーの作品だと明らかになった「脱獄者」の壁画。
作品の一部であるタイプライターが赤いペンキで塗りつぶされ、その下に「Team Robbo」と書かれているのが見つかった。
バンクシーと対立関係にあったキング・ロボ
壁画は受刑者がロープのようなものをつたって脱獄する様子を現したもので、ロープの先にはタイプライターが描かれていた。この刑務所はアイルランドの詩人オスカー・ワイルドが1895年から2年間収容されていたことで知られており、ワイルドを描いたものではないかと報じられていた。
その後バンクシー本人が自身のInstagramを更新し、この壁画を描く様子の動画を公開していた。
今回ペンキで塗りつぶされていたのは一番下に描かれたタイプライターの部分。その下に「Team Robbo」と書かれている。
ガーディアンによると、これは2014年に亡くなったイギリスのグラフィティ・アーティストのキング・ロボを指しているとみられる。バンクシーがロンドン北部にあったキング・ロボの作品を一部塗りつぶしたことをきっかけに、2人は対立していたという。
BBCは、施設の警備員の話として、一般人だという男性が、壁に書かれた最新の落書きを消そうとしているのが目撃されたと伝えた。その後、「Robbo」の文字は消えていたという。警察が犯人につながる情報を集めている。
刑務所は2013年に閉鎖。その後、芸術文化の拠点にするための活動も行われていた。