みずほ銀行、2週間で4件のシステム障害。頭取は「因果関係見いだせず」

システム担当の片野健・常務執行役員は「このような頻度、規模で過去に障害が起こったことはない」と述べた。
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会見の冒頭、システム障害について謝罪するみずほ銀行の藤原弘治頭取(左)=2021年3月12日午後9時6分、東京都千代田区、林敏行撮影
朝日新聞社

みずほ、止まらぬトラブル 「因果関係見いだせず」

 みずほ銀行で2週間に4件のシステム障害などが起きた。原因はそれぞれ別と説明するが、顧客対応や情報開示のあり方を含め、信頼を損ねる事態が続く。システムの運用管理や発生後の対応は十分だったのか。事態を重く見た全国銀行協会も、障害時の顧客対応を徹底するとの異例の申し合わせに踏み切る。

 みずほ銀が12日夜9時から11時ごろまで開いた会見で、藤原弘治頭取は障害の背景について「4件に共通の因果関係があるかは見いだせていない」と述べた。

 約2週間でたて続けに起きたトラブルは事象も原因も別。2月28日のATM障害はデータ移行時のメモリー不足が原因で、3月3日と11~12日は異なるハード機器の故障に起因し、7日の障害はプログラムの更新ミスといった具合だ。システム担当の片野健・常務執行役員は「このような頻度、規模で過去に障害が起こったことはない」という。

 みずほは第三者を交え詳細を調べているが、ある幹部は「4件も相次いだのは気の緩みやシステムへの過信があったからかもしれない」と語る。4千億円超をかけて2019年夏に新システムへ移行。過去の大規模障害を踏まえ、3メガバンクでも最新式を導入していた。「稼働後は以前ほど銀行内でシステムが主要なテーマになっていないと感じる」と幹部は振り返る。

 移行時のことをよく知る元役員は2月末の障害について「システム構築に全力を傾け、稼働後の対応ノウハウ保持に手が回らなかった可能性がある。宝の持ち腐れであり、4千億をかけた代物を理解できていなかったのでは」と話す。その後も続く障害については「それぞれ原因が別であり、偶然としか言えない。みずほに根深い問題があるわけではないと思う」とした。

 11~12日の障害では、主に企業間の外貨建て送金約300件の処理が最大7時間近く遅れた。送金先の銀行と協議し、顧客企業に支障が生じないように調整しているという。(箱谷真司)

(朝日新聞デジタル 2021年03月13日 22時10分)

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