国民の所得に占める税金と社会保障費の負担の割合を表す「国民負担率」が、今年度の2020年度は過去最大の見込みとなった。
財務省の2月末の発表によると、20年度は46.1%(実績見込み)。19年度実績と比べて、1.7ポイント増加の見込みとなった。
過去最大の見込みとなった国民負担率はどんなものかや、背景などを紹介する。
国民負担率は、所得に対して、徴収される税金と、年金や健康・介護保険といった社会保障費の総計がどれぐらいの割合を占めているかを表している。
算出方法は次の通り。
分母=国民全体の所得
分子=国民全体の税負担と社会保障費の総額
国民負担率は、好景気などで分母にあたる所得が増えれば下がり、税負担や社会保障費が増えれば逆に上がっていく。
ここ数十年に渡って上昇傾向にあり、2013年度以降は40%を超える高い水準を保っている。その背景として、消費増税や、高齢化による社会保障費の増加が挙げられている。
財務省によると、今年度の負担率が過去最高の見込みになったのは、新型コロナウイルスの影響で企業業績が悪化し、国民の所得が減少したことが理由という。
一方で、新年度の2021年度の「国民負担率」の見通しは44.3%。1.8ポイント改善する見通しを発表している。国民の所得の改善が見込まれるためという。
国際的に見るとどうか。
それぞれ2018年度の数字で、フランス(68.3%)やスウェーデン(58.8%)などヨーロッパ諸国の多くで日本よりも高い傾向。アメリカは31.8%と逆に低くなっている。