中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が3月5日から始まり、香港を「愛国者が統治する」とした選挙制度改革の草案が示された。
全人代に提出された法案は通常、賛成多数で可決される。
この草案は全人代常務委員会の王晨(おう・しん)副委員長が5日に説明した。
それによると、現行の選挙制度には欠陥があると指摘し、「愛国者が統治するために選挙制度の改善が必要」としている。
具体的には、行政長官を選ぶ「選挙委員会」の規模や構造を調整したうえで、新たに、立法会(議会)議員を選ぶ選挙についても、委員会に「比較的大きな割合」の議員を選ぶ権限を与えるうえ、全ての候補者を指名することも可能とする。
立法会はあわせて70議席。これまでは直接投票で35議席、業界団体などの「職能枠」で35議席ずつがそれぞれ決まっていた。選挙委員会は親中派が多数を占めるとされ、可決されれば立法会議員の選出方法が大きく変わることになる。
選挙は今年9月に予定されているが、香港メディアによると22年9月に延期されるとの見通しもある。