かつて刑務所だったイギリス南部の施設の壁に、突如出現した「脱獄者」の壁画。
覆面アーティストのバンクシーの作風と酷似していることから、バンクシーの新作?との憶測を呼んでいる。
BBCによると、壁画は、イギリス南部にあるレディング刑務所だった施設の壁に描かれた。刑務所は2013年に閉鎖され、現在は使われていない。
レディング刑務所は、アイルランドの詩人オスカー・ワイルドが1895年から2年間、収容されていたことで知られる。
ワイルドは、男性同士の性的行為を禁止する法に反した罪で服役していた。
壁に描かれた受刑者は、ロープのようなものをつたって脱獄している。ロープ状のものの先にはタイプライターが描かれており、この「ロープ」が紙であると推測できる。
CNNは、この囚人がおそらくオスカー・ワイルドなのではないか、と報じている。
壁画のタッチは、これまでのバンクシーの作品に酷似しているが、バンクシーが作者かどうかはまだ確認されていない。
バンクシーのアート作品に詳しいボーンマス大学のポール・ゴフ教授は、BBCの取材に対し、この壁画が「(バンクシー作品として)かなり説得力がある」と説明。「アートの質から、ペイントの方法を知っていて、真夜中に絵を仕上げる練習を積んだ人によって描かれたことが分かります」と述べている。