2020年に中国とインドの係争地帯で起きた武力衝突について、中国側の死者は4人だったとする発表にSNSで疑問を呈した著名なブロガーついて、現地の検察当局は3月1日、「英雄烈士の名誉を傷つけた」などとして逮捕する許可を出したと発表した。
中国メディアはこのブロガーが謝罪をする動画を公開し、「道徳観に欠けた行為だった」などと反省する様子が伝えられた。
逮捕許可が出されたのは250万人以上のフォロワーを持つ著名なブロガー・仇子明(きゅう・しめい)氏。
検察当局の発表などによると、仇氏は2月19日、去年6月に中国とインドの係争地帯で起きた武力衝突の死者数について、軍機関紙が4人だとしたのに対し、「死亡した4人はいずれも救援に入っていた。ならば助けられなかった兵士もいたはずで、死者は4人だけではないはずだ」などと疑問を呈していた。
仇氏は翌日に当局に拘束され、25日に「騒動挑発」容疑で逮捕許可が出されていたが、1日になってさらに「英雄烈士の名誉を傷つけた」容疑でも逮捕の許可が出た。この容疑に関する法律は、1日に施行されたばかりだった。
中国メディアは1日夜、仇氏がカメラに向かって謝罪するとした動画を公開。「検察提供」とされた動画では、仇氏とみられる男性が「道徳観に欠けた行為だった」「浮ついた、誇張された表現だった」などと語る様子が記録されている。